栄光ホールディングスは株主総会を控え、大株主2社と三つ巴の争いが泥沼化
株主総会の開催を目前に控え、学習塾大手の栄光ホールディングス(東証2部上場)では大株主を交えた泥沼の争いが深刻化している。それが明るみに出たのは、栄光HDが6月6日、筆頭株主である進学会(東証1部上場)との資本・業務提携を解消すると発表したこと。5月までは、もう1社の大株主である増進会出版社(未上場)とともに、2名ずつ取締役を派遣することで合意していたはずだった。突如起こった進学会と栄光HDの争いは、増進会をも巻きこんだ三つ巴のバトルに発展しそうだ。
進学会グループは栄光HDの発行済み株式を29.9%保有する筆頭株主。通信教育「Z会」で知られる増進会が同28.0%を保有する2位株主であり、進学会と増進会は栄光HD株を合わせて58%握る形となっていた。
進学会が栄光HDの株式を取得したのは、東日本大震災直後の2011年3月。その株式はもともと栄光HDの創業者から予備校大手「さなる」が取得した株であり、進学会にはホワイトナイトの役割が期待されていた。
増進会を含めた3社の関係は表面的には友好的に見え、今年5月15日には、栄光HDに対し、進学会と増進会の双方が取締役を2名ずつ派遣することを発表していた。ところが、その3週間後に一転しての業務・資本提携の解消。栄光HD側は、増進会からの取締役派遣には賛成姿勢を維持しつつ、進学会からの取締役派遣に対しては反対する旨を、提携の解消とともに発表した。
「埋めがたい相違点がある」。6月6日に栄光HD側が出したリリースでは、進学会を厳しく批難。栄光HDによれば進学会との提携解消に至った理由は主に以下の点。(1)4月3日に進学会で著作権侵害問題が発覚したこと、(2)進学会側から利益供与の要求ともとれる言動が複数回なされたこと。(3)進学会の役員から栄光HDの役職員に対して強圧的な言動や要求がなされたこと--。