生きづらさは性格ではない「かくれトラウマ」とは――親の顔色をうかがう子が、大人になっても解けない"防衛反応"の正体

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3.逃げ場がないと「心をシャットダウン」する

そして、「逃げる場所もない」「助けを求めることもできない」、そんなふうに感じる状況が続くと、子どもの神経系は、最後の手段に出ます。背側迷走神経が働き、心も体も凍りつく。痛みや恐怖をこれ以上感じないように、すべてを切り離してしまうのです。

その結果、次のような反応が、そっと、静かにはじまっていきます。

◼️表情がなくなる
◼️何を感じているのか、自分でもわからなくなる
◼️空想の世界に没頭する
◼️自分の体が自分のものでないように感じる(解離)

体に刻まれたトラウマ

『かくれトラウマ 生きづらさはどこで生まれたのか』
『かくれトラウマ 生きづらさはどこで生まれたのか』(ワニブックス)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

「記憶」としては思い出せなくても、「体と神経系」が覚えているトラウマ反応――つまり、意識的な自覚がない人でも、抑圧された子ども時代に端を発する“生きづらさ”があるかもしれない、というわけです。

そう、心では他人事に思うようなことでも、あなたの体には、しっかり「トラウマ」が刻まれている可能性があるのです。

では、仮に「家庭という名の戦場」を生き抜いたあなたが、大人になり、親になったとしたら――いったいどんな困難が待ち受けているのでしょうか?

※後編では、公認心理師の井上さんに「トラウマを負ったまま親になったあなたに、知っていてほしい考え方」について、詳しくご紹介いただきます。

井上 陽平 公認心理師・トラウマ専門カウンセラー・トラウマケア専門「こころのえ相談室」代表

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いのうえ ようへい / Yohei Inoue

児童養護施設・情緒障害児短期治療施設での活動を経て開業。愛着の回復、解離の安定化、PTSD反応、過覚醒・感情麻痺、HSP 特性の理解と調整など、「安全に生きられる感覚が戻ること」を中心に据えたトラウマケアを行っている。ソマティック(身体感覚)、神経系調整、イメージワーク、対話を組み合わせ、過緊張、疲労感、解離、フラッシュバック、感情の麻痺など、神経系に刻まれた反応に多角的にアプローチ。複雑性/発達性トラウマ、カサンドラ症候群、モラルハラスメント、性被害後の身体反応など、「理由がわからない生きづらさ」を抱えるクライエントと数多く向き合っている。
https://trauma-free.com/

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