NISA貧乏問題は政府にとって「好都合な真実」/2000万円問題の「悪魔祓い」に成功した政府の深謀遠慮
今、注目を集めている「NISA貧乏」問題――。このフレーズは、将来の生活を豊かにする投資促進策であるはずのNISAが、かえって利用者の家計を圧迫していることを意味する。
一見するとこの言葉は、政策の歪みや不備という「不都合な真実」を暴き出しているように思えるかもしれない。しかし、NISA貧乏問題が注目を集めること自体、「貯蓄から投資へ」という国策の推進を目論む国の立場からすると、実は意外にも、不都合どころかかえって好都合の側面が大きい。
片山大臣「ちょっとショック」
ポイントとなるのは、3月10日の衆議院財務金融委員会で答弁に立った片山さつき財務相兼金融担当相が放った、まるで他人事のような独特の言い回しだ。
片山大臣は、NISA貧乏問題の認識を野党議員に問われた際、この言葉を取り上げた報道記事に言及しつつ、「これはちょっとショックを受けた」と発言した。
加えて、「金融教育、ライフプランニングを、正しく公平な目で見て客観的にいいなというものを受けていただくことが非常に重要」との認識を示した。その後、金融庁の堀本善雄・総合政策局長が、金融経済教育推進機構(J-FLEC)との連携を中心とした政府における金融教育の取り組みについて述べた。
「ちょっとショック」という表現とは裏腹に、動揺する様子が一切見られない片山大臣と事務方の淡々とした受け答え。それが印象づけるのは、政府の税優遇制度を利用する場合であっても、「投資は結局のところ自己責任」と納得させてしまう、政府が作り上げたロジックの不気味なほどの周到さだ。




















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