「貯金がいつまでも増えない人」の残念な思考 3割の世帯がゼロ、高収入で貯められない人も
もし月1万円でも確実に貯められるようになれば、その1万円を除いて生活を維持できるようになる。その生活が当たり前になると、次は家計の別のところにムダがないかを探せるようになり、さらにもう1万円、2万円と貯蓄に回す工夫ができるかもしれない。
また、月1万円なんて、と侮って貯蓄をしなければ、その1万円は知らないうちにどこかで使ってしまうことになる。これは「月に1万円くらいなら使っても構わない」というのと同じである。貯まらない人はそんな意識がどこかにあり、知らず知らずのうちに「たいしたことはない」支出を繰り返しているのだ。そして、たいしたことがなかったはずの支出を繰り返すうちに、本来なら貯められたはずの大きな貯蓄の機会損失を蓄積していく。
このように、少額でも着実に貯めるのを厭う意識は、貯まる人と貯まらない人の差をどんどん大きくしていく。
「おカネが貯まらない」とぼやく人は、ストレス解消でモノを買ったり、飲みに出かけたりしてしまう人が多い。こういう人は、貯める動機付けをするのが難しく、そのうえ、おカネを使ったことで自分に罪悪感を覚えてしまう。それがまたストレスとなり次の買い物につながってしまう。
このような人はお金を使う際に、外部要因の影響を受けることも多い。「人に誘われたから飲みに行く」「セールで安くなっているから買う」など、外部からの働きかけで財布のひもを緩めるのだ。自らの意思で決断をするのが苦手な人によくみられる。おそらく、何事においても自分で納得して意思決定をせず(あるいはそれができない環境にあり)、他者によって自分の行動を方向付けられることが多いため、ストレスもたまりやすいのだろう。
おカネを使うと、かえってストレスを溜めてしまう
とはいえ、現代はストレス社会。仕事、家庭、人間関係と、あらゆる場面にストレスはつきものだ。いちいちそのたびに買い物に逃げていては、いくらおカネがあっても足りない。「飲まなきゃやっていられない」「買い物でもして気を紛らわせよう」といった中途半端な方法では、むしろストレスは罪悪感という形で増幅されてしまう。
それならばいっそ、自分が本当に幸せになれると感じるものに、一度思い切っておカネをかけることだ。旅行でも、時計でも良い。ストレスを理由にいつまでもずるずると、楽しくもないものにお金を使うくらいなら、自分が心底納得のいくものを買った方が精神衛生上も良い。
収入が少なければ、多いよりも貯蓄をするのは難しい。しかし、収入が増えれば単純にその分貯蓄できるかというと、必ずしもそうとは限らない。貯蓄が増えない要因は案外、自身の思い込みに潜んでいるのかもしれない。
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