1缶3240円でも注文1.5カ月待ち! 爆売れ「高級ツナ缶」が、だし専門店の倒産危機を救った理由。最高級オイルで"1滴も無駄にできない"ごちそうに

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「『頂』という商品名は、日本一の富士山のようにツナ缶の頂点を目指すという思いで名付けられました。普段使いであれば高額ですが、ギフトとしては決して高価ではありません。県外で暮らすご親戚やご友人への贈答用に地元の方が購入されることが多いですね。ただ、完成までの工程をすべて手作業で行うため、週に1日だけ、それも30缶くらいしかできないんです。オンラインでの販売も注文後1カ月半ほどお時間をいただいています」(村越さん)

おすすめの食べ方はペペロンチーノとツナチーズバゲット

話を聞いていて、どうしても「頂」を食べてみたくなり、取材用として特別に用意してくれたものを購入した。村越さんによると、「頂」のオリーブオイルのおいしさを生かしたペペロンチーノのパスタと、フランスパンに「頂」のハラモとチーズをのせて焼き上げたツナチーズバゲットがおすすめの食べ方だという。

調理をする前に、まずはそのまま食べてみた。だしによって引き出されたビンナガマグロのうま味、そして、ハラモのきめ細かくてしっとりとした食感は、これまで食べてきたツナ缶とはまったく違う。炊きたてのご飯は言うまでもなく、辛口の冷酒や白ワインにも合わせてみたい。

勝男屋 高級ツナ缶 頂
筆者が作った「頂」のペペロンチーノとツナチーズバゲット(写真:筆者撮影)

ペペロンチーノは「頂」からハラモを取り出して、1缶分のオリーブオイルを使った。刻みニンニクと鷹の爪を加えて、香りが立ってきたところでゆであげたパスタを投入。ハラモは火が通りすぎないように、あえて最後のほうに加えた。同時進行で作ったツナチーズバゲットも添えた。

これまでパスタ専門店やイタリアンレストランで食べた数々のペペロンチーノの中で一番おいしかった。かなり多くのオリーブオイルを使っているにもかかわらず、しつこさはまったくなく、むしろ体にスッと浸透していくのである。頬張るごとに幸せを実感した。

また、ツナチーズバゲットはツナのうま味が際立っていて、チーズのコクとパンの香ばしさを一層引き立てていた。筆者の料理の腕前は素人同然なので、「頂」のポテンシャルがそれだけ高いということだろう。

焼津や清水が日本一のツナ缶の産地であるのは、単にマグロの水揚げ量が多いからだけではない。原料をどう生かして、どんな価値を重ねていくかを考え続けてきた人たちの知恵と挑戦の積み重ねがある。「頂」は、その最前線に生まれた1缶だ。日常食としてのツナ缶ではなく、土地の物語と技術、そして覚悟を詰め込んだ「ごちそう」としてのツナ缶。焼津・清水のツナ缶文化にこれからも注目していきたい。

永谷 正樹 フードライター、フォトグラファー

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ながや まさき / Masaki Nagaya

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。

地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに記事と写真を提供。

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