「寄り添う上司が壊れる」管理職を襲う"共感疲労"――意外と知られていない心理的安全性の本質。自分を守るための3つの境界線とは
1.「共感」と「同意」の境界線
部下の訴えや気持ちに対して共感を示すことは重要ですが、共感と同意を区別することが重要です。同意は、“相手が言っていることの意味を肯定すること”。それに対して共感とは、“相手の気持ちを肯定すること”です。
部下の話の内容に同意できないときは、肯定も否定もする必要はありません。「そんなふうに考えてしまってつらいんだね」と、気持ちにフォーカスして共感すればいいのです。
ただし、正しく共感すること――例えば、大雨の中、傘もささずに立っている人がいるとします。自分も傘を差さずその人の横に立って同じようにずぶ濡れになるのは、誤った共感の仕方で、優しい人が陥りがちな、過剰な共感です。これでは、傾聴するほどに疲弊します。
一方、自分は傘を差した状態で「雨に打たれて冷たいね。寒いね」と、客観的に伝えるのが、正しい共感の仕方です。
時間を決めて1on1を
2.時間と場所の境界線
1on1の時間や、部下からの相談の時間をきっちり決めることも大事です。
心理職におけるカウンセリングは、50分、30分と時間を決めて行います。時間を決めることでクライアントの依存を防ぎ、自律性を高める効果があるからです。上司と部下の面談も同じです。
1on1は30分にする。相談に応じるのは10時から14時まで。緊急時を除きその時間以外は応じない――などと決めたほうが、部下の自律性を高めることができるでしょう。もちろん、管理職の負担も軽減します。
3.役割の境界線
メンタルヘルスの問題や、過度な権利主張といった部下の問題は、管理職が1人で抱えるものではありません。管理職は、親でも友人でもカウンセラーでもないのです。
優しい人ほど「自分が何とかしなければ」と思いがちですが、管理職の役割を超えた問題は、専門家の力を借りるのが正解です。産業医や人事、カウンセラー、近くの病院などの専門機関に部下をつなぎましょう。
「解決できない自分はダメだ」などと思う必要はありません。専門家との適切な連携こそが、部下を救うことにもなるのです。


















無料会員登録はこちら
ログインはこちら