好調な京セラがあえて"下方修正"をした理由 構造改革のメスはどこに入るのか
太陽電池事業は、ソーラーパネル価格の下落自体は進んでいるものの、概ね会社想定の範囲内にとどまった。
会見では「原価低減の効果が出てきた」(山口社長)と収益性が順調に改善していることを示し、太陽電池事業が属するファインセラミック応用品関連事業は事業利益の見通しを10億円引き上げた。
電子デバイス事業で構造改革を断行?
今回大きく足を引っ張ったのは、電子デバイス関連事業だ。会社側は“構造改革”を実施するので、同事業の利益見通しを280億円も減額している。
ただ、構造改革の中身については「現段階では予定でしかないので、構造改革としか言えない。実行に移した段階で改めてご説明したい」(山口社長)と明らかにしなかった。
京セラの決算書を見る限り、電子デバイス関連事業は、それほど問題のある事業には見えない。2015年度上期は増収増益を達成、部門の利益率も10%を越えている。だが、詳しく見てみれば、課題も浮かび上がってくる。
電子デバイス関連事業は、大まかに、①電子部品事業、②水晶部品事業、③コネクタ事業、④ディスプレイ事業、⑤プリンティングデバイス事業、そして今年9月に子会社化した、⑥日本インター、という6事業で構成される。
そのうち、コンデンサーや高周波部品を扱う、①電子部品事業や、③コネクタ事業は好調に収益を産んでいるようだ。問題を抱えているのは②水晶部品事業、④ディスプレイ事業、この2つだ。
水晶部品事業では、水晶発振器で世界シェアナンバーワンの地位にある。ディスプレイ事業も世界で初めて自動車に液晶ディスプレイを搭載させた事で知られている。
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