「甲子園に屋根を付ければ」「夏ではなく別の季節に」高校野球「9回制から7回制」への短縮案に反対の声も…。議論の背景にある非商業主義という"高い壁"

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神宮球場の「昼は大学野球」「夜はヤクルトスワローズ」と同様に「昼は高校野球」「夜は阪神タイガース」は、可能な気もするが、滞在期間が2週間から1カ月になれば、学校の滞在費も球場運営費も倍増する。また甲子園の客席配置は、プロ野球と高校野球では異なっている。春夏の甲子園の際には、客席を移動させるなどの工事も行っている。それはどうなるか。

ドーム球場での開催、例えば京セラドーム大阪が甲子園同様、球場を「無償」で明け渡すだろうか。またオリックス・バファローズが、この期間、補償もなしに「死のロード(夏季の遠征)」に出るだろうか。

甲子園をドーム化するには、少なくとも100億円以上の予算規模の工事が必要になるとされる。しかも空調など維持費も大幅に増大する。阪神との共用であるにしても、これまでどおり「無償」で済むのか。

先立つものが乏しい日本高野連には、競技場の移転、改変や、シーズンの異動などを主体となって状況を大きく変革するのは事実上不可能だ。

「だったら、日本高野連を営利事業ができるように改革すればいい。スポーツマネジメント会社や広告代理店が入って、放映権料もスポンサー料もしっかりとって、スポーツビジネスとして成立させればいい」

筆者も当コラムで高校野球の事業化に言及したことがある。今なら高校野球の放映権をDAZNやNetflixが買って人気コンテンツにすることも可能だろうが、そうした新しい体制になって、事業が軌道に乗るには、5年、10年というスパンの時間がかかる。

「7回制」でも見どころはある

これに対して「7回制」は喫緊の課題なのだ。「高校野球の営利化、事業化」は確かに重要ではあるが、それは「7回制か、9回制か」の議論の「解決策」にすることはできない。

7回制で行われた2025年国民スポーツ大会高校野球(写真:筆者撮影)

すでに高野連は昨秋、滋賀県で行われた国民スポーツ大会の高校野球公開競技で「7回制」を試験的に実施している。筆者も観戦したが、ややあっけない印象はあったものの、試合展開に大きな支障はなかった。7回制でも見どころはあるし、終盤は盛り上がった。

日本高野連は2028年春の甲子園からの「7回制」導入に言及している。問題はあるにしても「7回制」は、今の高校野球の体制では、問題解決のための唯一の手段ではないかと思う。

広尾 晃 ライター

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ひろお こう / Kou Hiroo

1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライターやプランナー、ライターとして活動。日米の野球記録を取り上げるブログ「野球の記録で話したい」を執筆している。著書に『野球崩壊 深刻化する「野球離れ」を食い止めろ!』『巨人軍の巨人 馬場正平』(ともにイースト・プレス)、『もし、あの野球選手がこうなっていたら~データで読み解くプロ野球「たられば」ワールド~』(オークラ出版)など。

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