「甲子園に屋根を付ければ」「夏ではなく別の季節に」高校野球「9回制から7回制」への短縮案に反対の声も…。議論の背景にある非商業主義という"高い壁"
要するに7回制は、「夏の甲子園」を今後も存続するため、投手の肩ひじを守るため、そして世界との「格差」を埋めるために必要ということだ。
こうした論点は、アンケート結果で出てきた「野球の伝統は9回制だから」「7回制にすると勝負の醍醐味がなくなる」などの「9回制擁護論」に比べて、切迫性が違うと思われる。プロ野球であれば「勝負の醍醐味」は重要だろうが、「教育の一環」である高校野球では、9回制を維持する理由にはならないだろう。
エンゼルスの菊池雄星はXで「7イニング制に反対の意見は、ほとんど感情論です。『つまらなくなる』『高校野球ではなくなる』など。一方で、賛成派は『怪我を防げる』「熱中症対策」など、ロジカルです。ちなみに僕も7イニング制は『どちらかと言えば反対派』です。しかし僕も例に漏れず、明確なロジックを持っているわけではありません。みなさんはどうお考えですか?」と言った。
さらに「7回制」に反対し「9回制」を擁護する人々からは、ドラスティックな意見が出ている。
「夏ではなくて、別の季節にやればいい」「1カ月間甲子園を貸し切ってやればいい。神宮みたいに阪神はナイターで試合をすればいい」「ドーム球場でやればいい」「甲子園に屋根を付ければいい」
こうした意見は「そうした大事業を誰がやるのか?」という視点がまったく抜けている。率直に言って今の日本高野連は、大事業の担い手になるのは不可能だ。
高校野球は興行業に当たらず「非課税」
『日本高等学校野球連盟70年史』によると、2000年、日本高野連本部のある大阪西税務署から日本高野連、朝日新聞社、毎日新聞社が主催する甲子園の大会は「収益事業」として課税対象になるとの指摘を受けた。当時の牧野直隆日本高野連会長は、大会の決算書とともに、低廉な入場料のほかは、放映権料を受け取らず、審判なども無報酬であり、収益事業には当たらない、という内容の「上申書」を提出した。
これに対して大阪西税務署は「大阪国税局、東京国税局、さらには国税庁の担当者と協議した結果、高校野球は興行業に当たらず、慈善興行業とみなし、非課税とする」と決定した。
また、地方大会については所轄税務署の判断とするので、都道府県高野連は所轄税務署に毎年度、興行確認申請書を提出するように指導を受けた。


















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