「甲子園に屋根を付ければ」「夏ではなく別の季節に」高校野球「9回制から7回制」への短縮案に反対の声も…。議論の背景にある非商業主義という"高い壁"

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以前から日本高野連、都道府県高野連は「非営利」で、商業主義を排除してきた。それは、日本高野連の実質的なファウンダーである佐伯達夫の強い指導力によるが、2000年の税務署の決定は、日本高野連の「非営利性」にお墨付きを与えた。

春夏の甲子園では毎年合わせて100万人以上の動員があるが、日本高野連の決算報告によれば経常収益は10数億円。200万人動員するNPB球団が200億円以上の売り上げがあるのと比較しても極端に少ない。この収入の中から参加校の選手、指導者の大会中の滞在費を負担し、球場運営費を賄っているのだ。

コロナ禍の2020年は入場料収入が0になり、日本高野連は基金の取り崩しやクラウドファンディング、寄付などの支援を取り付けたが5億円の赤字になった。

NPBなどプロスポーツ球団は「入場料」「場内物販」「放映権料」「スポンサー料」「ライセンス料」と収益の柱は4~5本柱だが、日本高野連はほぼ入場料の1本だけだ。

資本力もなく、営利事業の経験もない日本高野連

前述のとおりNHKと民放は、放映権料は支払っていない。反対に、主催者の日本高野連、朝日新聞社、毎日新聞社は、阪神甲子園球場に「使用料」を支払っていない。

春夏の甲子園大会は「慈善事業」であり、ほとんど「経済」を介在させずに事業を行っている。だから運営主体の日本高野連は「ミニマム」で回すことが可能になっている。

資本力もなく、営利事業の経験もない日本高野連が「高校野球改革」の主体になるのは可能だろうか。

夏休み期間をやめて、他の季節に甲子園をするとすれば、学校の調整は非常に困難になるだろう。また仮に「秋の甲子園」を開催するとしても、ペナントレース終盤の阪神タイガースが「無償」で、甲子園を明け渡すだろうか。

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