93.6%--今春卒業した大学生の就職率《気になる数字》

93.6%--今春卒業した大学生の就職率《気になる数字》

新卒大学生の就職率が4年ぶりに上向いた。文部科学省と厚生労働省の「大学等卒業者の就職状況調査」によると2012年4月1日時点で93.6%と、過去最悪だった前年同期から2.6ポイント改善した。この調査は毎年10、12、2、4月に、同じ学生を対象に実施される。昨年10月からの就職(内定)率の伸び幅は33.7ポイントと調査開始以来、最高となった。

この結果について厚労省は、1月からの集中支援期間に大学とハローワークが連携して行った個別支援の効果を強調。それによって3月末までに1万5543人が内定を得て、就職率を4.1ポイント押し上げたとしている。だが、12月から4月までに新たに内定を得た人数の合計は5万7000人で、前年同期とほぼ同数。集中支援は未内定者の増加を食い止めはしたが、それ以上の効果については疑問符が付く。就職率自体は昨年10月時点ですでに前年同期を2.3ポイント上回っており、最終結果の改善幅2.6ポイントの大半を占める。

学生がハローワークの存在を知り、中小企業にも目を向けることは有意義だ。ただ、学生は単に大企業志向なわけではなく、未知の企業に不安を抱いている。現状の集中支援では、カウンセリングなど精神面のサポートに重点が置かれており、企業紹介は企業の提示する求人票に基づくのみ。ハローワークには“国営人生相談所”ではなく、企業側とも連携した情報公開の促進を望みたい。

(『就職四季報』編集部 赤峰みどり =週刊東洋経済2012年6月9日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナ後を生き抜く
  • 晩婚さんいらっしゃい!
  • 就職四季報プラスワン
  • 若者のための経済学
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
自動車「コロナ不況」が促す<br>部品業界サバイバルの行方

コロナ危機の自動車部品メーカーへの影響は、過剰な設備と人員を抱えていた日産系でとくに深刻。比較的堅調だったトヨタ、ホンダ系も無傷ではありません。世界レベルでの技術開発競争は激化の一途で、生き残りへの再編と淘汰が始まろうとしています。