「友情結婚」ってなに?専用サイトでマッチング、恋愛感情も性的関係もない"合理的すぎる夫婦の形"でようやく得た「世間体」

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ここで、やや聞きにくいことを聞かねばならない。性的な関係がないことを前提に結婚した2人だが、一緒に暮らすうちに恋愛感情が高まる可能性はないのだろうか。

恋愛は「家庭に持ち込まなければ」自由だが、夫で十分

「私が夫を男性として好きになってしまうことは心配でした。でも、杞憂でしたね。多くの夫婦が、結婚して数年経てば(セックスレスの)家族になると思いますが、うちもそんな感じです。夫はハグしたりするのは問題ないので、適当にくっつかせてもらっています。それで十分です」

恋愛は、“家庭に持ち込まなければ自由”という約束だ。しかし、今のところ2人とも好きな人はおらず、夫婦で過ごして「充足している」。そういう関係もあるのだ。

「それぞれ仕事もあり、夫婦2人ですが家族もいるので、これから恋愛に時間を割くのは実際問題として難しいです。それに、私はその必要も感じていません。『独身女性』として値札をつけられてショーケースに並ばずに済むことにホッとしています。私はもう、女性として素敵である必要はないんです」

オシャレな留美さんは十分に魅力的だが、筆者の視線などは留美さんには関係がない。女性としてではなく、人間として自由で活力に溢れた存在であることを、彼女は重視しているのかもしれない。ただし、古い体質の勤務先では「友情結婚です」とは決して明かさない。

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「社内の飲み会も、独身だと断りにくくても、結婚していると『そうだよね。家に早く帰って旦那さんのゴハンを作らなきゃ』と昭和的な価値観のおじさんたちは勝手に察してくれます(笑)。地方の拠点への異動も断りやすくなりました」

日本社会では、法律婚は圧倒的に強い。相続においては親子関係を上回るほどだ。だからこそ「後妻業」のような事件も起きるのだが、留美さんと伸彦さんは法律婚を上手に活用して、2人だけの愛情豊かな共同生活を無理なく実現している。知恵と勇気と行動があれば、人生はたいていうまくいく。

取材協力:独身専用コミュニティ「シンパティ」

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております(ご結婚5年目ぐらいまで)。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申し込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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