デートやセックスの相手は頼もしくあってほしいけれど、共同生活でモラハラは困る……というのは矛盾と言えるかもしれない。でも、留美さんにも言い分がある。
「自分の意見をはっきり言ったり、権利を主張したりする女はモテませんよね。誰かと付き合っているときは『これを言ったら嫌がるだろうな、ケンカになるかも』と遠慮して、面倒だから口にしないことが多かったです。いろんなことに感想や意見があるのが私の良さでもあると思うのですが……」
ロマンチックさのかけらもない「友情結婚」の出会い
恋愛と生活の落差を感じ、付き合っても共同生活を始めようとはしなかった留美さん。しかし、10年前に今の会社に転職してからは「日本社会では結婚していたほうが生きやすい」と思うようになった。
「地方に本社がある古い会社なので、既婚者ばかりの封建的な社風なんです。40歳を過ぎて独身だと肩身が狭いと感じていました」
そのうちにコロナ禍に突入。親しい親戚とすら会いにくい状況となり、「いざとなると婚姻関係が強い」と痛感していたときに、とある独身限定コミュニティ主催のオンラインサロンを知る。毎日テーマが変わり、それについてオンラインで話すという趣旨だった。
「私にとっては実験の場でした。男性に忖度せず猫をかぶらずに話す場、です。初対面の人が相手なので言葉遣いなどは配慮しますが、言いたいことをはっきり言わせてもらいました」
そのコミュニティでは男女を問わずいい友だちができて、「こういう関係性の延長で結婚できたらいいな」と感じられた。しかし男性側は、「若い頃にはできなかったような恋愛からの結婚」を求めていることが多く、恋愛と結婚を分けたいという留美さんの希望を受け入れてくれそうな人とは出会えなかった。
そんなときに見つけたのが、「友情結婚」の希望者を募ってマッチングするサイトだ。留美さんはプロフィール欄にこう書いた。「お互いに主体性を持って、1つの会社を共同経営するイメージを結婚に持っている」と。本音とはいえロマンチックさのかけらもない表現だが、夫となる伸彦さんの心には響いたようだ。
「一般的な恋愛結婚を求めている男性からは、確実に嫌がられる表現ですよね(笑)。でも、友情結婚のサイトでは受け入れられました。夫からは『それはいいですね!』という積極的なメッセージをもらったんです」


















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