「自国の産業保護」が狙いではなかった…古代ギリシャが【関税】を重視した"現代国家とは異なる"事情

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特に、ギリシャのような都市国家では、市民の力が強かったので、市民から直接的に税を取るのはなかなか社会が許しませんでした。そのため、関税や間接税が発達したのです。

「税収のための関税」だった古代ギリシャ

中でも、関税というのは、政府にとっては非常に取りやすい税金なのです。

関税の世界史
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関税は輸出入のときに、物資が税関を通るときに課税すればいいだけです。徴収の手間も非常に少なくて済みます。だから古代から、関税を財源の柱とする国は少なくありませんでした。

しかもギリシャは海洋国家でもあったので、関税を管理しやすいという条件がありました。港を出入りする船をチェックすれば関税を取ることができたからです。

関税は当初、国家の財源とする目的のためにつくられました。しかし、だんだん貿易が発展するにつれて、国の経済を守るためのものに変わっていったのです。

輸入品に高い関税を課して国内業者を守ったり、輸出品には関税を課すことをやめて輸出を増やしたりする、ということです。

現在では世界の多くの国で、関税は税収のためというより、自国経済の保護のために設定しています。ほとんどの国で関税は税収としては取るに足らないものとなっています。

が、古代ギリシャの場合は、完全に「税収のための関税」だったのです。

大村 大次郎 元国税調査官

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おおむら おおじろう / Ojiro Omura

国税局に10年間、主に法人税担当調査官として勤務。退職後、ビジネス関連を中心としたフリーライターとなる。単行本執筆、雑誌寄稿、ラジオ出演、『マルサ!!』(フジテレビ)や『ナサケの女』(テレビ朝日)の監修等で活躍している。ベストセラーとなった『あらゆる領収書は経費で落とせる』をはじめ、税金・会計関連の著書多数。一方、学生のころよりお金や経済の歴史を研究し、別のペンネームでこれまでに30冊を超える著作を発表している。『お金の流れでわかる世界の歴史』は「大村大次郎」の名前で刊行する初めての歴史関連書である。近著に『税務署対策 最強の教科書』『「土地と財産」で読み解く日本史』。

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