「自国の産業保護」が狙いではなかった…古代ギリシャが【関税】を重視した"現代国家とは異なる"事情
古代エジプトでは、税関らしきものがあったことがわかっており、当然、関税が徴収されていたものと思われます。税率や税収などの詳しい面はあまりわかっていませんが、古代エジプト最後の王朝である「プトレマイオス王朝」の関税については、比較的、詳しい記録が残っています。
プトレマイオス王朝は、有名なアレキサンダー大王の後継者のプトレマイオスが開いた王朝で、紀元前30年にローマに滅ぼされたため、古代エジプト最後の王朝とされています。
プトレマイオス王朝では、財源として主要な物品を国家が独占販売していました。その代表的なものが、オリーブとワインです。
オリーブオイルは、古代エジプト時代から料理に欠かせないものであり、燃料としても使いました。また、髪や体に塗るという習慣もありました。
プトレマイオス王朝はこのオリーブオイルを重要な財源としていました。製造から販売まで王室の許可を受けた業者だけが行うことができ、民間での製造販売は禁止されていました。小売価格も非常に高く設定され、厳しく統制されていました。
そして、オリーブオイルの価格を維持するため、外国からの輸入品には50%もの高率の関税が課せられていたのです。ただこの高関税のため、密輸や密売が頻発し、後には25%程度まで下げられたと見られています。またワインにも同様の経緯で、高い関税が課せられていました。
好んで税金を支払うお人よしはいない
古代エジプトだけではなく、古代国家の多くで関税が導入されていました。特に古代ギリシャでは、古代エジプトよりもさらに関税の制度が整えられ、関税を重要な財源としていました。
古代エジプトでは、農作物などに対する収穫税(直接税)が税収の柱でしたが、古代ギリシャの場合は、関税などの間接税が税収の柱となっていたのです。
古代から税を徴収するというのは、けっこう大変なことなのです。なぜ税を払わなければならないのか、という理由付けも必要になります。何の理由もないのに、自分の財産を国に拠出するようなお人よしは、昔からそんなにいないのです。


















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