「自国の産業保護」が狙いではなかった…古代ギリシャが【関税】を重視した"現代国家とは異なる"事情

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関税は、国の社会基盤や経済が発展していないと設けられない税金でもあります。まず、外国と貿易をできるほどの国力が必要ですし、輸入した商品を売買する市場などが整っていないと課すことができません。

また、国民が輸入した商品を買えるだけの豊かさがないと、関税の税収を得ることはできません。

古代エジプトに繁栄をもたらした「ゴールド」と「税」

その点、古代エジプトはその条件を十分に満たしていました。

古代エジプトは、3000年もの長きにわたって、その栄華を維持してきました。3000年間、豊かな社会を維持してきた国家というのは、人類史の上では古代エジプトくらいしかありません。

エジプトは、ピラミッドに象徴されるように、ファラオと呼ばれる国王が絶大な財力を持っていたことで知られています。

しかも豊かだったのは、国王だけではありません。遺跡発掘などの資料から、エジプトの領民たちは、貧しい家の人でもカマドのある家に住んでいたことがわかっています。

またエジプトでは、ゴミ問題なども発生していましたが、これは領民たちが、すでに都市生活を営んでいたという証拠でもあります。王に財力があり、民も豊かな生活をしていたということです。

この理由について、歴史家はまだ妥当な答えを得ていません。一説には「砂漠に囲まれ、他国が容易に攻め込むことができなかったから」ともいわれ、また「ナイル川流域の肥沃な土地の恩恵によるもの」といわれることもあります。

が、古代エジプトが砂漠に囲まれていたのも、肥沃な土地だったのも、古代に限った話ではありません。今も続く現代までエジプトは、砂漠に囲まれた肥沃な土地を維持しているのです。

しかし豊かで平和だったのは古代だけであり、古代エジプト以降のエジプトは、たびたび周辺諸国から侵略を受け、なかなか平穏な時代を築けませんでした。

なぜ古代エジプトだけが、3000年もの間、平和で豊かな時代を送ることができたのでしょうか? その大きな理由として、筆者は「ゴールド(金)」と「税」があると考えます。

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