「月額6万6000円」「富裕層の男性経営者が顧客」 西麻布の《超高級バーバー》に、"美容室の倒産過去最多"でも客が殺到するワケ

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「2年間学校へ通っても、卒業してシャンプーすら満足にできないのが実態です。だから離職率が高まり、低賃金から抜け出せない。また、日本に蔓延する『安売り文化』も深刻です。低単価は国全体の消費や賃金を押し下げます。日本の技術者は世界的に見ても素晴らしい技術を持っているのに、自分たちのサービスの価格に自信を持てていないのです」

MASA氏は、アメリカのスポーツ界のように「監督(オーナー)よりも選手(技術者)が高い報酬を得る」文化が必要だと説く。

「日本では、オーナーが技術者の実力を認めつつも、『料金を上げると自信がつき、独立してしまう』と恐れて価格を抑え込もうとする傾向があります。2万円の実力があっても1万円で止めろ、と。これでは技術者は育ちません。私も前職では横並びの料金を強いられましたが、それが、この独立という形に行き着いた理由の1つでもあります」

高級バーバー
理容室ならではのシェービング。実はかなりの技術が必要だという(写真:藤中一平撮影)

適切な働き方は「産業」によって異なる

昨今の働き方改革の中で「長時間労働・低賃金」は悪徳の代名詞だ。しかし、業界によっては、否定できない部分があるとMASA氏は指摘する。

「経営者が搾取のために強いる残業は論外です。しかし、20代、30代の時期に死ぬほど働くことは、職人にとっては未来への投資です。

私もアシスタント時代は朝6時から練習し、12時間の営業を挟んで、夜は11時半までハサミを握りました。それは強制された『仕事』ではなく、自分を伸ばすための時間でした。今の時代、こうした努力は評価されにくいですが、産業によってはそれをやらないと未来が開けない職種があると思います」

ただし、薄利多売のベルトコンベア式作業では、クリエイティブな技術は育たない。名前も知らない客を長時間切り続けるだけでは、自分を見失うのも当然だ。

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