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廃業相次ぐ「産業構造の底辺」をデジタル化したい ミスミG社長が「製造業のインフラ」目指す危機感

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2013年の社長就任以来、デジタル戦略を進めてきた大野龍隆社長(撮影:尾形文繁)

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ミスミグループ本社(ミスミG)は1963年に部品の専門商社として設立し、時代ごとにビジネスモデルの進化を続けてきた。近年は、ITを駆使した製造業向けの新サービスを続々と発表している。大野龍隆社長はデジタルシフト戦略を推し進め、2024年度の売上高は4012億円(2013年の社長就任時から約2.3倍)を見込む。躍進の裏側と、今後の展望を聞いた。

商品や技術では勝負しない

――AIで特注部品の見積もりを即座に算出する「メビー」(参照記事)や、流通在庫を可視化する「D-JIT」(参照記事)など、新サービスを次々と投入できるのはなぜですか。

自分たちは普通にやっているので、改めて考えたことはなかったが、やはり成長へのこだわりが根底にあると思う。当社は商品の性能や技術では勝負しない。創業時から一貫して、ビジネスモデルこそが心臓部だ。

進化を止めてしまえば、顧客に価値を提供できなくなる。現状に危機感を持ち、変革を望む意志が強い。だから続々とイノベーションを起こせるのだろう。採用の面でも、それを面白がったり、社会的な意義を見いだしたりした人が集まってくる。

――イノベーションを起こせる人材をどう育成していますか。

座学と実践の両面がある。前者では経営層が講師役となり、社員に戦略を教える伝統がある。私も社内の経営フォーラムで2カ月に一度ほど、中堅の管理職以上300~400人程度を対象に話す。

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