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ミスミG、ものづくりの「究極の黒子」目指す背景 ITサービスを続々と投入する狙いを社長が激白

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大野龍隆/おおの・りゅうせい 1964年生まれ。茨城大学人文学部卒業。1987年にミスミグループ本社入社。FAエレクトロニクス事業部長や常務執行役員などを経て、2013年より代表取締役社長(撮影:梅谷秀司)。
FA(ファクトリーオートメーション)向け部品の製造と流通を担うミスミグループ本社。近年、IT技術を駆使した新サービスを次々と発表している。AI(人工知能)を活用した部品調達サービス「メビー」(2019年に本格稼働)は、顧客の図面から見積もりや製造プログラムを自動で即時生成する。生産間接材購入サービスの「D-JIT」(2024年3月に開始)は、国内外のサプライヤー400社超をネットワークでつなぎ、市中の在庫状況を可視化する。
ものづくり現場のデジタルシフトを急ぐのはなぜか。大野龍隆社長に聞いた。

 

――従来のメーカーや商社機能に満足せず、ITを活用したサービスにも手を伸ばす理由は?

日本の製造業は、セットメーカーを頂点としたピラミッド構造を形成している。底辺を支える当社のような「裏方」には、中小や零細企業も多い。小規模な会社では事業承継の問題も出ている。下層に位置する業者の弱体化が進めば、ものづくりの土台は揺らいでしまう。

最近の製造現場はDX化が進んでいる。IT対応のニーズは高まっているが、それをやれと言われても、町工場の経営者には現実的に難しい。誰かが機能を代替しなければならない。当社がデジタルモデルにシフトすれば、貢献できる領域を広げられる。産業構造を守る一端を担いたい。

そういう意味では、まだまだ道半ば。ほかにも仕込んでいるサービスはいろいろとある。顧客の生産プロセスの中には、非効率な側面が残っている。その解決策を事業化していく方針だ。

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