「駅前には巨大なウルトラマン像」「ドトールには敵わないからスナックに」…新宿駅から21分なのに《個人店だらけ》な街の"実態"

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街の魅力について聞くと、

「やっぱり商店街の存在は大きいですよね。個人店が多いでしょ。うちもそうですけど、どこも地元のお客さんに支えられています。かといってそれだけじゃない。目当ての店を求めて遠くから来てくれる方もたくさんいらっしゃいます。そうしたところが街の魅力だし、住むといいところだから、地元の方もここでお金を使ってくれるんだと思います」(一美さん)

クレープのメニュー
一番高くて税込み750円(筆者撮影)
生地を焼く要平さん
生地を焼く要平さん(筆者撮影)

38年の老舗スナックにお邪魔した

さて、祖師ヶ谷大蔵の魅力は昼間だけでは語れない。「Largo(世田谷区祖師谷3-32-3)」はこの地で38年の老舗スナックだ。

私は下戸だ。アルコールが一滴も呑めない。だからスナックなど、お酒を呑まなきゃいられない店の取材は苦手だ。というかこれまでほぼ経験がない。午後7時、開店まもない「Largo」に、意を決して足を踏み入れた。

「Largo」1階の入り口
「Largo」1階の入り口(筆者撮影)
「Largo」の店内
「Largo」の店内(筆者撮影)

カウンターのなかで艶やかに微笑む和服の女性に来店の趣旨を伝えると「ママは8時半くらいに来るから聞いてみてください」とのこと。感触は悪くない。その時が来るまで烏龍茶と軽食で時間を過ごすことにした。

緊張気味に烏龍茶をすする私に、和服の艷女は「ママはね、80歳を過ぎてるけど、全然歳を感じさせないの、すごいですよ」と話しかけてくれる。

スナックっていいところだ。

スナック「Largo」店主の伊藤ユリさん
スナック「Largo」店主の伊藤ユリさん(筆者撮影)

それやこれやで、やっと緊張がほぐれてきたころに、ママの伊藤ユリさんが出勤してきた。今年で82歳になるというがとてもそんな年齢には見えない。改めて取材のお願いをすると「いいですよぅ」と笑ってくれた。

スナックっていいところだ。

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