「50歳世界一周ひとり旅」予算をビジネスクラスに"全振り"した結末。《仕事するには大正解、夢のようなラウンジも》昔はLCC一択だったが…

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ラウンジを巡回しているマッサージスタッフに声を掛けたら10分ほど肩を揉んでくれた。少し強めの力加減で肩甲骨の凝りをほぐしてくれる。シャワーブースもシミュレーションゴルフもあるし、何かの拍子に閉じ込められるなら絶対ここがいい。

ラウンジ巡り界隈の評価の高さも納得だし、なんならこのラウンジのためにイスタンブールに行きたいくらいだ。

LCC一択だった筆者の認識が大きく変化!

2010年代にLCC一択だった筆者は、ビジネスクラスと言えば寝ても疲れにくいシートと豪華な機内食、アルコール飲み放題のラウンジくらいしか認識していなかった。

しかし実際に乗ってみると他にもさまざまなサービスがあるし、機材や路線だけでなく、航空会社の個性も感じられて面白い。たとえばANAはホノルル路線で他の路線とは座席配列を変えたペアシートを設け、子ども連れやペアの乗客が利用しやすいようにしているという。

中国南方航空のくせが強すぎるビジネスクラスも忘れがたいが、ターキッシュエアラインの深夜便でCAがベッドメイクをしてくれたのも印象深かった。

中国南方航空のビジネスクラスシート
座席はシンプル、機内食に全振りして差別化していた中国南方航空のビジネスクラスシート (写真:筆者撮影)
ターキッシュエアライン
ターキッシュエアラインの深夜フライトはベッドメイクをしてくれた(写真:筆者撮影)

ビジネスクラスの常連には何てことないのだろうが、どの航空会社でもCAが名前で呼んでくれることにも驚いた。

ペルー・マチュピチュの観光列車も乗務員が乗客の名前を把握していた。そうすることで「おもてなし感」「親しみ」の両方を高められるのだろう。

世界一周で最初に乗った成田―メキシコシティのフライトでは、座席の選び方が迂闊(うかつ)だし、機内食の動画を撮りまくっているし、初心者丸出しだったのだろう。

着陸態勢に入る少し前にANAのCAに「お仕事ですか」と聞かれ(どう見てもそんなはずないが、無難にそう質問したのだと思っている)、「実は世界一周で」と答えると、しばらくして手書きのカードと茶葉、のど飴、スープの素の詰め合わせを持ってきてくれた。

これから始まる冒険の背中をそっと押してもらったような心強さを感じた。

ANAによると「(乗客を名前で呼ぶ)ネームコールを始めた時期は定かではありませんが、過去を遡ると2003年には実施していたことが確認できております」という。

CAからのメッセージカード
世界一周最初のフライトで、CAからメッセージカードを受け取った(写真:筆者撮影)

飛行機はビジネスクラスに振り切った分、宿泊はバックパッカー並みに節約した。「南京虫出ませんでした?」などと心配されたが、実際どうだったのかは次回お伝えしたい。

【この記事の写真】各社のビジネスクラス、ラウンジの様子など(16枚)
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浦上 早苗 経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員(コミュニケーションマネジメント)

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うらがみ さなえ / Sanae Uragami

福岡市出身、早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で教員。現在は経済分野を中心に執筆編集、海外企業の日本進出における情報発信の助言を手掛ける。近著に『崖っぷち母子 仕事と子育てに詰んで中国へ飛ぶ』(大和書房)『新型コロナVS中国14億人』(小学館新書)。
X: https://twitter.com/sanadi37
公式サイト: https://uragami-sanae.jimdosite.com/

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