「50歳世界一周ひとり旅」予算をビジネスクラスに"全振り"した結末。《仕事するには大正解、夢のようなラウンジも》昔はLCC一択だったが…

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ANAは1986年のビジネスクラス導入にあたり、競合他社の横2-3-2の座席配列に対して、横2-2-2の座席配列のシートを導入した。

とはいえ、1980年~1990年代は、「スーパーエグゼクティブ」という大袈裟な名前の割には、エコノミークラスより座席の幅が広い、機内食がちょっと豪華という程度で、現在のプレミアムエコノミー相当だったようだ。

ビジネスクラスシートの変遷
ビジネスクラスシートの変遷(画像:ANA提供)

しかし2000年代に入ると、各社がビジネスクラスを強化するようになり、「シートがライフラット→フルフラット→ドア付き個室型と10年単位で進化した」(ANA)。

最新のビジネスクラスシート
ビジネスクラスのシートは10年単位で進化している。ANAはドア付きの個室型ビジネスクラスシートの導入を発表している(画像:ANAニュースリリース、2025年6月17日より)

一方のJALは2002年、座席を貝殻状のカバーで包み込むデザインの「シェルフラット」を投入し、大いに話題になった。

当時のリリースでは「就寝時のプライベートかつリラックスできる空間」をうたい、離陸前のマッサージサービスや、健康に配慮した「スペシャル機内食」など、気になりすぎるワードが並ぶ。

今よりもビジネスパーソンを強く意識し、世界を飛び回る仕事人間につかの間のくつろぎを、というコンセプトが伝わってくる。

JALが2002年に発表したシェルフラットシート
JALが2002年に発表したシェルフラットシート(JALプレスリリース、2002年7月8日より)

だがJALは2010年に経営破綻し、設備投資競争に参戦できなくなる。ANAはその隙を付いて同年フルフラットシートを導入。機内食やラウンジを刷新し、ビジネスクラスの付加価値を高めた。

JALも再上場後の2013年、約10年ぶりにビジネスクラスを全面リニューアル、遅ればせながらフルフラットシートを導入した。旅行者の間ではすっかり定着し、昔からあったように感じるが、ビジネスクラスが現在の姿になったのは割と最近なのだ。

ビジネスでもシートは実は“ぴんきり”

国際線ビジネスクラスについて付け焼き刃のうんちくを並べたが、50歳にして初めてビジネスクラスに乗った筆者は、保安検査の優先レーンの存在を知らなかったし、座席予約時にシートの見方もよくわからなかった。

ANA最長路線である成田―メキシコシティ便では、他の乗客と隣り合わせにならない独立した座席をシートマップで認識できず、2つの席が並んだ座席を選んだ。うかつだったが、それでも十分に満足だった。

ビジネスクラスの座席
2025年に乗った成田―ハノイのビジネスクラスはフルフラットシートではなかった。贅沢を知ってしまった後だったのでテンションが下がった(写真:筆者撮影)

エコノミーはどれに乗っても大して変わらないが、ビジネスクラスは航空会社や機材によって座席のグレードや配置が違うことが次第にわかってきて、同一路線に複数の便がある場合は機材や座席を調べるようになった。

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