「50歳世界一周ひとり旅」予算をビジネスクラスに"全振り"した結末。《仕事するには大正解、夢のようなラウンジも》昔はLCC一択だったが…

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中長距離便だと飲み物や軽食も気軽に注文できるので、集中力が途切れるとアイスクリームを食べて一息ついた。

空港ではスターアライアンスのラウンジも使える。

飛行機で移動する日は搭乗3~4時間前に空港に着いて、ラウンジと機内で仕事することが多かった。空港はそこにいるだけで旅気分を味わえ「旅行しているのにこもって仕事するなんてもったいない」という気持ちにもなりにくい。

気分転換と称してファミレスやカフェで作業しがちな筆者は、ビジネスクラスでの世界一周を経験して、あろうことか「ビジネスクラスのシートだと仕事がはかどる病」にかかってしまった。

たまったマイルやセールを利用して、世界一周とは別に今年に入って2度も国際線のビジネスクラスに乗った。費用対効果を考えると大赤字だが。

機内食の前菜
ビジネスクラスで提供された前菜。機内食といえども、調味料やソースなどで高級感を演出する航空会社が多く、気分が華やぐ(写真:筆者撮影)
機内食のデザート
ビジネスクラスはデザートも楽しみの一つ、機上で優雅なカフェタイムを過ごせる。写真はANA成田―メキシコシティで、最後に出されたデザートのモンブラン。季節感たっぷりで味も抜群だった(写真:筆者撮影)

そしてふと思った。ビジネスクラスは呼称からしてビジネス需要を意識した席のはずだが、ビジネスパーソン向けというより「ワンランク上」「ステイタス」のイメージのほうが強い。

ではなぜ「ビジネスクラス」と呼ぶようになったのだろう。世界一周旅行の最初のフライトで搭乗した全日本空輸(ANA)に聞いたら、驚きの事実が判明した。

初期はエグゼクティブクラス

飛行機好きには周知の事実かもしれないが、日本でエコノミークラスとファーストクラスの間のシートが「ビジネスクラス」と呼ばれるようになったのは2010年ごろと比較的最近のことだ。

ANA広報部によると同社最初のビジネスクラスは1986年、「スーパーエグゼクティブクラス」という名称で誕生した。

その後、「CLUB ANA」(1991年)などを経て、2010年にフルフラット、全席ダイレクト通路アクセスの「ANA BUSINESS STAGGERED」が登場して以降、ビジネスクラスの名称が使われるようになったという。

2012年にpeach(ピーチ)、ジェットスター、エアアジアなどのLCCが日本で就航し、貧乏留学生だった筆者はそちらばかり使うようになったが、言われてみればかつての名称「エグゼクティブクラス」は聞き覚えがある。

ただ、名称変更の理由については「社内に記録されておらず、正確にお伝えできない」とのこと。それが一番知りたかったのだが、おそらく世界的な流れだったと推測できる。

エグゼクティブと言われると、「庶民なのにすみません」と謝りたくなるので、個人的には名称を変えたのは正解だったと思う。

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