「体力がない人」の仕事術:精神科医が勧める"手抜き3原則"――大事なのは無理せず「今よりラクな方法を探す」という視点

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「手抜き」という言葉には、手抜き工事に象徴されるようにネガティブで卑怯なイメージがありますが、私は手抜きを「少しでもラクにやる手段」と考えて、肯定的に捉えています。体力がない人や体が弱い人にとっては、極めて合理的な「生存戦略」となります。

「手抜き」とは?

私が考える手抜きとは、仕事や作業を「いい加減に済ませる」とか、「適当にやる」ことではありません。端的にいえば、考えられる限りのムダを省いて、最短距離で結果や成果を出すための効率的な方法を探すことを意味します。

大学受験に例えるならば、一番の成績でトップ合格しても、合格者の中で最低点で合格しても、結果は同じということです。大事なのは、志望する大学に合格することであって、すべての受験科目で100点を取ることではありません。

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心身の負担をできる限り抑えて、時間と労力をかけずに「合格点」を取ることが、私の考える手抜きの真骨頂といえます。

どんなタスクと向き合う場合でも、絶えず「今よりラクな方法があるはず」という視点を持つことが、仕事を早く、確実に終わらせる秘訣です。これまで通りのやり方を続けたり、上司に言われた通りにやっているだけでは、仕事が早く終わらないだけでなく、ムリをすることで体力を使い果たしたり、体調を崩す原因になるのです。

「自分は体力がない」と考えているならば、次のような「手抜き3原則」を頭の片隅に置いて行動することが大切です。

【原則①】ムリして我慢しない
【原則②】限界まで頑張らない
【原則③】嫌なことはやらない

この「手抜き3原則」を見て、「そんなことで仕事がうまく回るのか?」と疑問に思う人もいるかもしれませんが、合格点を鮮明にイメージして、今よりラクな方法を探す工夫を続けていけば、その実現は十分に可能です。

和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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