「体力がない人」の仕事術:精神科医が勧める"手抜き3原則"――大事なのは無理せず「今よりラクな方法を探す」という視点
それでは、自分で変えられるものとは、何でしょうか?
自分の体力や体質は変えられませんが、「考え方」は変えることができます。考え方を変えるとは、自分の思い込みや決めつけを捨てることによって、これまでとは異なる視点から日常や仕事を見直すことを意味します。
もう一歩踏み込むならば、体力がない人や体が弱い人にとっては、ありとあらゆることについて、「今よりラクな方法を探す」という視点を持つことが重要なのです。
体調を考えた仕事をする
日本人には、「完全主義」や「完璧主義」の人が多いといわれますが、これは体力がないビジネスパーソンにもそっくり当てはまる傾向です。どんなことにも真剣に取り組む一方で、「かくあるべし思考」に陥っている人が少なくありません。
かくあるべし思考とは、「物ごとはこうあるべきだ」と自分で勝手に決めつけ、それに反することが許せない……という偏った考え方を指します。
この思考パターンに縛られてしまうと、自分の思い通りにならないことに対して強い不安や焦りを感じやすくなって、自分を追い詰めることになります。
自分の行動が職場の人たちに迷惑をかけているとわかると、「周囲の人に申し訳ない」→「どうして自分はいつもこうなのだろう」→「自分はダメなヤツだな」……というサイクルを繰り返すことになって、結果的に体調を崩すことになるのです。
自分のことを体力がないとか、体が弱いと考えているビジネスパーソンは、基本的には真面目な人が多く、仕事にも真剣に取り組んでいますが、真面目だからこその弱点を抱えています。
それは、絶えず目の前の不安や心配事ばかりが気になるため、自分の体調を考えずに、我を忘れて仕事に取り組んでしまうことです。
自分のエネルギーをコントロールせず、与えられたタスクに全力投球で向き合ってしまうため、気がついたら「ガス欠」を起こしていた……という日常を繰り返しているのです。
精神科医の目から見ると、「自分には体力がない」と自覚しているビジネスパーソンに限って、意外と「手抜き」が下手だと感じています。
別の角度から見れば、「手抜きなんてとんでもない」と考える生真面目さが、自分を苦しめているのです。



















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