「体力がない人」の仕事術:精神科医が勧める"手抜き3原則"――大事なのは無理せず「今よりラクな方法を探す」という視点

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体力というと、多くの人は持久力に代表される「スタミナ」をイメージすると思いますが、アメリカの生産性コンサルティング会社エナジー・プロジェクトCEOのトニー・シュワルツは、体力を「エネルギー」と捉えて、人間のエネルギーには、次のような4種類があると説いています。

①「身体」のエネルギー(Physical energy)
睡眠、食事、運動など、身体的な健康を維持して、高い活動レベルを保つ
②「感情」のエネルギー(Emotional energy)
ポジティブな感情を育み、ストレスを管理して、感情的な回復力を高める
③「思考」のエネルギー(Mental energy)
集中力を高め、思考力を維持して、創造的な発想や問題解決の能力を高める
④「精神」のエネルギー(Spiritual energy)
目標意識や価値観に沿った行動を取ることで、充足感や目的意識を育む

トニー・シュワルツは、仕事のパフォーマンスを向上させるためには、これら4つのエネルギーを戦略的に管理することが重要だと唱えています。

体力のない人や体が弱い人が、4つのエネルギーを自分の意思でコントロールすることによって、その「浪費」をできる限り抑え、自分の「燃費」を高めていくためには、どうすればいいのでしょうか?

変えられないもの、変えられるもの

その手がかりとなるのが、精神科の治療法の1つ「森田療法」の考え方です。

森田療法とは、精神科医の森田正馬先生によって創始されたもので、不安や恐怖を排除するのではなく、「あるがまま」に受け入れることによって、症状の安定化を目指すという精神療法です。

森田療法の代表的な考え方に、「変えられないものはあきらめて、変えられるものを変える」というものがあります。簡潔にいえば、どんなに頑張っても、自分ではどうにもならないことに執着するのではなく、自分で何とかできるものに集中する……ということです。

体力がない人や、体が弱い人のケースで考えるならば、どんなにムリを重ねても、いきなり体力がアップしたり、体が丈夫になることは期待できません。周囲の人たちの冷たい視線を変えることも、至難の業と考える必要があります。

いつまでも「何とかできないだろうか?」と悩み続けていても、事態は何も変わらないのです。悩んでも解決できないことは、スパッと割り切って、あきらめることが大切です。

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