「ガチャ」なしでも儲かる?ゲームビジネス"見た目課金"の実態――「競技タイトル」は課金すれば勝てるのか?
世界で1億人のアクティブユーザーがいる『フォートナイト』は基本無料でプレイできますし、ガチャの要素もありません。あるのはアウトフィットやエモート(アバターが取るアクション)の販売だけです。
スキンやアウトフィットはアバターの見た目を変えるだけなので、ゲームの勝敗や強さには影響しませんし、購入しなくてもゲーム進行に何の支障もありません。実際、プレイヤーの多くは無課金でデフォルトの見た目でプレイしています。
ちなみに、デフォルトのスキンやアウトフィットでプレイしている人は、「無課金プレイヤー」と揶揄されることがあります。先に行われたパリオリンピックの射撃で銀メダルを取ったトルコの選手が、如何にも初期装備のような状態で大会に挑んだことから、無課金プレイヤーになぞらえて「無課金おじさん」と呼ばれるようになりました。
『フォートナイト』は2021年には58億ドルを稼いでいます。これにはコラボイベントの収益も含まれますが、その多くはアウトフィットによるものです。
なぜアウトフィットからこれほどの収益を上げられるのでしょうか。
ゲームに影響しないのであれば、購入する必要はないと考えがちですが、見た目が変わることで気持ちが上がるという側面もあります。アバターはプレイヤーの分身としてゲーム内で活動するので、自分が着飾るようにアバターにも着飾らせたいという気持ちが出てくるわけです。
また、他のIPとのコラボをすることで、好きなキャラクターの格好をできることも魅力となります。他のアバターと違う格好をすることで、自分のアバターにアイデンティティを持たせるという意味もあるでしょう。
多様な課金システムの発展
ガチャ、スキン、アウトフィット以外には、行動力を回復させたり、『ポケモンGO』や『ピクミンブルーム』のように捕獲したポケモンやピクミンの保持数の上限を上げたりするために課金を促すための仕組みもつくられています。
モバイルゲームでは基本無料が当たり前となっていますが、当然ながらゲームメーカーはビジネスとしてやっているので、何かしらの形で回収する必要があります。
そのために、ガチャのように射幸心をあおるギャンブル性の高いものから、より快適にゲームを進行させたり、少ないプレイ時間を補ったりするためのものまで、多様な課金システムを発展させてきたのです。
今日では、動画配信者に投げ銭をするように、好きなゲームが存続するために、いわゆるお布施感覚で課金をする人も増えています。



















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