「寝たきり」「要介護」「人工透析」を加速させる"危険な食べ方"→「シニアほど注意!」専門医が教える"腎臓"に一番悪い意外な落とし穴 

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それと、食を細らせないためにも、腎臓病の食事制限のルールに過度に縛られないほうがいいと思います。

ご存じの方も多いでしょうが、慢性腎臓病になると、医師や管理栄養士から食事指導が入り、「塩分摂取は1日6g未満にしてください」とか「たんぱく質は体重1キロにつき1日0.6~0.8gを守ってください」とかといった細かいチェックが入ることになります。

ただ、こうした細かい制限基準を全部まじめに守ろうとしていると、往々にして食欲が落ちたり食事量が減ったりすることにつながりがちなのです。もちろん、決められたルールはなるべく守るべきなのでしょうが、私がこれまで多くの患者さんを診てきた経験で言うと、あまりに徹底して守ろうとすると、かえって食を細らせる弊害のほうが大きくなる気がします。

それに、こういった食事制限の基準は、「食べ方」を工夫すれば、わりと簡単にクリアできてしまうものなのです。たとえば、塩分はみそ汁や漬物をやめるだけでかなりの量を減らすことができますし、たんぱく質は主食のごはんやパンを低たんぱく食品に替えるだけで大幅に減らすことができます。そして、こうした「食べ方の工夫」をしていけば、そんなに厳しく制限をせずとも、「普通」とほとんど変わらない食生活を送ることが可能になるんですね。

「あれも、これも食べられる」というプラス思考

そのため、私は、慢性腎臓病の食事制限に関しては、細かいルールをまじめに守って行うよりも、食べ方を工夫したうえで少々アバウトに行うくらいのほうがいいと指導しています。言葉は悪いかもしれませんが、「ちょっと手抜き」をしたほうが好結果につながることは多いもの。

すなわち、食べ方のポイントやコツを大づかみにしておいて「だいたいこれくらいで大丈夫だろう」というくらいのラインを守っておおらかにやっていけばそれでいいのです。

また、食事制限を厳格に守ってやろうとすると「あれも食べられない」「これも食べられない」というマイナス思考で食卓に向かうことになりがちですが、食べ方を工夫しておおらかにやっていけば「あれも食べられる」「これも食べられる」というプラス思考で食生活を送れるようになるものです。

いかがでしょう。みなさんも、こういったかたちで少し力を抜きながら気楽に取り組んでいくほうが、ストレスもたまらないし、何より毎日の食事をおいしく食べて楽しんでいくことができると思いませんか。

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