その理由の一つに、「人間は感情を持った動物」だということが挙げられます。
ここで、皆さんが意思決定をする場面を思い返してみてください。
その時、感情よりも先にロジックで判断できているでしょうか。おそらく無意識であっても、感情が先に出てくるのではないでしょうか。
しかしこれを逆手にとれば、「人を説得したいのであれば、その人の持つ感情を優先すべきだ」ということです。資料作成においても同じです。感情を優先することは、多少ロジックが甘くても説得できてしまうくらい効力があります。
感情を優先した資料作成のコツ
では、感情を組み込んで資料を作成するにはどうしたらいいのでしょうか。
参考になるのは、ロバート・B・チャルディーニ著『影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか (第三版)』という本で紹介されている考え方です。この本は人間心理にせまり、「なぜ人は動くのか」を社会心理学的に分析した世界的ロングセラーなのです。
ここでは、社会心理学的な知見を資料作成にも応用できる使い方としてご紹介しましょう。
「コミットメントと一貫性」とは、自分が主張していることを裏返すような事実が出てきても、自分の主張を裏付ける事実を探したくなる心情を指します。
資料作成においても同じです。読み手はいったん決めたことやスタンスに応じて、その主張を守ろうとし続ける傾向があります。
例えば「もう意見を覆されたくない」と思っている場合、資料の冒頭には前回の資料で合意を得たことなどを記載しておきましょう。そうすれば、読み手がそこに関して「もう一度議論をしよう」と思うことはなくなるでしょう。
例えば、ラーメン屋さんに行列ができていたとしましょう。普段はなんとも思わなかったのに、思わず並びたくなってしまったということはありませんか。このように他の人がやっていると自分もやりたくなってしまう心情を指します。
次ページが続きます:
【「感情優先」の具体的な方法は?】
