運転手なしでも街中を自在に走り回る乗用車、オフィスでの業務を手助けする自動ロボット――。
さまざまな日常領域へとAI(人工知能)が適用される未来を描き、人々の身近な生活環境でAIを安定的に活用できる社会基盤の整備を進める会社が、一般的には通信キャリアとして知られるソフトバンクだ。AIを支える「次世代社会インフラ」の構築を中長期的な経営課題として掲げる。
AIを活用する場面では、計算基盤として米エヌビディア製のGPU(画像処理装置)が必要とされており、ソフトバンクは消費地などでも計算資源を広く利用できる環境の整備を目指し、全国に設置する携帯電話基地局を「ミニAIデータセンター」のような形に再構築しようとしている。
無線アクセス通信網(RAN)とGPUを一体運用することから「AI-RAN」とも呼ばれている構想が実現すれば、街中などでAI計算資源を利用できるようになる。将来を見据え、その具体的な活用事例を模索しているのが、同社の先端技術研究所でAI開発課長を務める稲葉宏輝さん(35歳)だ。
「フィジカルAI」の成果を発表
同研究所は、長くテクノロジー領域で事業責任者を務めた経験を持つ宮川潤一社長の下、会社の次なる基盤事業に対する投資を目的に2022年に設立された。単なる基礎研究などにとどまらず、技術の最終的な社会実装に向けて、企画から開発まで一気通貫で進めている点が特徴とされる。
稲葉さんがリーダーを務めるAI開発課には、無線機開発、ロボット、自然言語処理など多様な専門性を持つ12人のメンバーが所属。ロボットや自動運転向けのソリューション開発や、通信業界向けのAI基盤モデル構築を社内外で連携して進めており、各領域で次々と成果を発信している。




















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