20代で「ワークライフバランス」を求める人が、30代でバランス崩壊の危機。AI時代の働き方の思わぬ落とし穴とは

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20代でワークライフバランスを優先し、定時で帰り、効率的に仕事をこなしてきた人。一見すると賢い働き方をしているように見えます。しかし、30代になったとき、その人はAIに代替されない価値を持っているでしょうか。

顧客との深い関係を築いた経験があるでしょうか。現場で試行錯誤して得た知見があるでしょうか。AIにはない価値を創ったと、自信をもっていえる実績があるでしょうか。

もしこれらがなければ、AI時代に仕事は急速に減り、バランスを取りたくても取れない状況に陥ります。

ワークライフバランスは「中長期」で考えるべき

ここで意識するべきは、ワークライフバランスとは今この瞬間で考えるべきではないということです。将来の仕事まで考えたときに、あと10年後でも仕事に困らないような自己投資を今することで、中長期でみたらそちらのほうがワークライフバランスが良いといえます。

もちろんすでに家族がいたり、仕事より大切なものがあるならそちらに時間を使うべきなのは否定しません。介護が必要な家族がいる、健康上の理由がある、子育て中である。こういった状況であれば、仕事よりも優先すべきことがあるのは当然です。

ただ、いま価値を磨かなければ将来の仕事はよりシビアになり、バランス崩壊するリスクは認識しておいたほうがよいという話です。

少なくとも、ダラダラとショート動画を見たりSNSでレスバをしているような暇があるなら、もっと仕事の価値をあげる時間投資をすべきです。

「定時で帰ってNetflixを見る」「趣味の時間を優先する」。こういった時間の使い方を否定するつもりはありません。しかし、それが「ワークライフバランスを大切にしている」という理由で正当化されているなら、それは危険です。

なぜなら、その時間を自己投資に使わなかったツケは、10年後に回ってくるからです。

本当のワークライフバランス、本当のタイパとは、資産運用と同じです。短期的なリターンではなく、中長期の資産形成をするために、計画的に時間を投資していくべきなのです。

10年後に価値がなくなるものに時間を使っていたら、それは本当にタイパが良いとはいえないでしょう。

AIを活用して、仕事が減った、楽になったということで安心せず、AIにできない仕事をするために自分の価値を磨くこと。それがAI時代におけるワークライフバランス実現のためのカギなのです。

三浦 慶介 株式会社グロースドライバー代表取締役社長

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みうら けいすけ / Keisuke Miura

1983年生まれ。一橋大学法学部卒業。サイバーエージェント、リヴァンプ、グロース上場企業スパイダープラスのCMOを経て2025年に独立。ゲーム・小売・飲食・教育・建設Techなど幅広い業界で事業成長を牽引。会員数150万を超えるヒットゲームの開発、数百万人が利用するCRMアプリの企画・開発、年間数十億円を運用するマーケティングチームの内製化、1年で生産性を160%改善する営業改革など、業種・業界を問わない事業成果を実現。現在は「AI時代の人材育成×事業戦略」を専門に、事業成長の伴走支援と知見の体系化に取り組む。著書に『AI時代に仕事と呼べるもの』(東洋経済新報社)がある。

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