20代で「ワークライフバランス」を求める人が、30代でバランス崩壊の危機。AI時代の働き方の思わぬ落とし穴とは
特にアポイントの移動時間や資料印刷など、いまやオンライン会議などのデジタル活用で効率化したものも多く、昔の労働時間はなんだったのかとも思います。
「デジタルが浸透する前は朝7時から夜2時まで仕事をしていたけど、今でいうとせいぜい8時から22時くらいの密度だと思う」
講演のさいなど、私はこう表現しています。それだけ、今どきの仕事は密度が高く効率化されているのです。
しかし、意味のある時間まで削ってしまっていないでしょうか? そこにはワークライフバランスの落とし穴があります。
オンラインではなくわざわざ会いに行く、チャットではなく対面で会話する、やったことのない仕事にあえてチャレンジするなど、一見すると「タイパが悪い」と思う人もいるでしょう。
そういった”タイパの悪い”仕事をしているから、ワークライフバランスが保てないのだと思うかもしれません。しかし、だとすればまったくの誤解です。
ワークライフバランスの本質
そもそも、ワークライフバランスとはなんでしょうか。ともすると、「ワークの比重を減らすこと」と誤解されているかもしれません。確かに昭和的な仕事第一主義からの脱却という意味では、そういう認識でも問題がなかった時期もありました。
しかし、本質的なワークライフバランスとは「仕事と生活の双方が、人生の目的に沿ってバランスしている状態」と言えます。ほぼ100%が仕事であっても、本人が望んでいるならそれもバランスが取れているといえるでしょう。
簡単にいえば、仕事をふくめて人生が充実していると思えることが、ワークライフバランスのとれた状態なのです。
他方、AI時代の人間の仕事は、明らかに減っていきます。ホワイトカラーの単純労働はすべてAIに置き換えられます。
AIにできない仕事をする人の給与は増えるが、そうでない人は給与が減るか、ホワイトカラー職種をあきらめるといった方向にいくでしょう。



















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