家庭不和から、宗教対立、戦争まで…争いを引き起こすのは「真理」ではなく「執着」。神や正義の名の下にあなたの執着につけ込む存在に要注意

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「YouTube和尚」として知られている大愚和尚。住職を務める佛心宗大叢山福厳寺にて(撮影:大倉英揮)
YouTubeのお悩み相談番組『大愚和尚の一問一答』は登録者数75万人を超える。そこに寄せられる悩みのトップはずばり「お金」。和尚の著書『お金と宗教の歴史』は歴史・宗教史の本でありながら、「お金」の悩みを手放すヒントが書かれている。今回は対立、争い事、戦争の裏側にあるものについて語る。

人はなぜ戦争をするのか

起きている物事を目の前にして、「なぜ?」と思うことはたくさんあります。愛や慈悲心を説く宗教がなぜ争いを生むのかというのも、そのひとつです。私たちは、現在進行中の争いばかりを見てしまうのですが、「その前に何があったのか」「それはなぜか」ということを、深く観察していかなければなりません。

たとえば、同じ宗教を深く信仰している国同士が争っているからといって、「その宗教が争いを起こす」というような短絡的な話にしてはなりません。

では、どのように世の中を見ていけばいいのでしょうか。そのためには2つの学びが必要です。 

お金と宗教の歴史

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ひとつは、自分が生きている環境、社会についてよく知ることです。2つ目は、自分自身についてよく知ることです。

私たちがこれまで学校で勉強してきたことは、1つ目の環境や社会の勉強です。それらはみな、自分の外側のことです。しかし、2つ目の自分自身のことについては、なかなか勉強する機会がありません。

仏教は、自分の内側を学ぶための教えです。

基本的な教えのひとつに、「正見(しょうけん)」があります。これは混沌とした世の中にあっても、明るく、幸せに生きるための基本的な方法のひとつです。正見とは文字通り「正しく見る」ことです。

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