「お金がなくても平気ですか?」この質問に「大丈夫」と答えることのできない現代社会の現実…日本人の心に巣くう「新しいカースト制」の正体

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「YouTube和尚」として知られている大愚和尚。住職を務める佛心宗大叢山福厳寺にて(撮影:大倉英揮)
YouTubeのお悩み相談番組『大愚和尚の一問一答』は登録者数75万人を超える。そこに寄せられる悩みのトップはずばり「お金」。和尚の著書『お金と宗教の歴史』は歴史・宗教史の本でありながら、「お金」の悩みを手放すヒントが書かれている。お金に対する仏教のユニークなスタンスを語る。

誰もが心を寄せる世界宗教「お母さん教」

「宗教とは何か」に対する答えはさまざまですが、ひとつには「自分の心のよりどころ」と定義することができます。仏教でも、キリスト教でも、イスラム教でもそれは同じです。そして誰もが心のよりどころにしたことのある「世界的な宗教」があります。

それは「お母さん教」です。

お金と宗教の歴史
『お金と宗教の歴史』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

小さいうちは、みなお母さん教ですよね。お母さんが心のよりどころだからです。私も長い間、お寺にある幼稚園の園長を務めているのでわかります。子どもたちはパパそっちのけで、「ママ! ママ!」と言っています。

そしてこのお母さん教と同じくらい強力になってきているのが、「お金教」です。人々はお母さん教を卒業し、お金教に入信していくわけです。

お金教とは何か。それは、お金がないと不安になり、お金に安心を求めるものです。先のお母さん教は、ママがいないと不安になり、ママがいると元気になり、勇気が湧いてくる。心理的安全性を、母親に求めているわけです。その心理的安全性がお金に変わったのが、世界中を席巻しているお金教です。

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