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ライフ #『お金と宗教の歴史』

「お金がなくても平気ですか?」この質問に「大丈夫」と答えることのできない現代社会の現実…日本人の心に巣くう「新しいカースト制」の正体

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  • 大愚 元勝 佛心宗大叢山福厳寺住職、慈光グループ会長
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お金に対して不安が尽きないのは、学んでいないからです。

私はみなさんに、そんなにお金が心配なら、仕組みを勉強するよう伝えています。社会におけるお金というのは、そもそも人間がつくった経済のシステムです。給与、税金、借金、投資、すべて人間が考え出したシステムの上に成り立っています。

ただ漫然と税金を払うのではなく、どのような計算のもとに自身の税金が決まっているのかを学んだり勉強したりすれば、困ったときの解決策も自ずとわかるようになります。

お釈迦様曰く「若いときに働いて財を成しなさい」

お坊さんも、お金に不安をもっています。檀家離れが進み、お寺の経営基盤が根底から崩れつつあるからです。

私が同じように不安かといえば、そんなことはありません。私はお坊さんになりたくないと寺を飛び出し、自分でいくつかの事業を起こして生活をしてきました。小さなものではありますが、経営者としていくつかビジネスを手がけ、その間1億円近い借金に苦しめられたときもあります。お金を稼ぐこと、失うことを、身をもって学んできました。お金のありがたさ、そして怖さを知ったために、闇雲に不安になることはなくなりました。

そのような経験がなければ、コロナ禍できっとうろたえていたことでしょう。ですから、なるべく早く自分で学べることは学んだらいいのです。そして、若い頃にしっかりと働き、きっちりと稼いでおくことです。お釈迦様はこんな言葉を残されています。

真理のことば(ダンマパダ) 第11章 老いること 155

若い時に、財を獲ることなく、清らかな行ないをまもらないならば、魚のいなくなった池にいる白鷺のように、痩せて滅びてしまう。(『ブッダの真理のことば 感興のことば』中村元訳、岩波文庫、31ページ)

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【人格を育てるのも同じく大事】

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