お釈迦様は、若いときに働いて財を成しなさいとおっしゃいます。そして面白いのが、財を成すだけではなく、心を育てることが必要だと示されていることです。人格を育てていい人になれば、年をとったときに誰か助けてくれるからです。
お釈迦様がカーストが低い者を最初の弟子にした理由
カーストという階級制度は生まれた家によって身分の決まるもので、インドの社会に深く根づいていて、その中では疑う余地のないものでした。
カーストが当たり前の社会の中で、お釈迦様は「人間は、心、言葉、行ないによって尊敬されるべき人かどうかが決まる」と説きました。その人のあり方を見て尊敬するかどうかを決めなさい、ということです。僧侶だから、王だからといった生まれた家は関係ないと暗に示したわけです。
お釈迦様は、その平等な思想を行動でも示しました。仏教教団では、「一日でも先に教団に入った人を立てる」ということになっていました。
お釈迦様が悟りを開き、生まれ故郷に戻ったとき、弟子になりたいという親戚たちに先んじて最初に弟子にしたのは、最もカーストが低かったウパーリという者でした。カーストが低い者を、自らの親戚の兄弟子としたのです。ちなみに、お釈迦様の父はシャカ族の王、お釈迦様自身は「王子」でした。
その後も、身分の低い人たちが多く弟子になりました。インド社会の中で蔑まれていた身分の人たちが、出家することによって下位のカーストからバラモン(僧侶)という最上位のカーストに移ることができたのです。



















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