コミュニケーションの成否は、いかに言葉や話し方が聞き手の感情
どんなにロジックが通っていようと、ファクトがあろうと、正論であろうと、そんなことはあまり関係ありません。
リベラルが倫理・論理的主張を打ち出す一方で、保守は「『物語』を語る」「敵を設定し攻撃する」「短く断定調で言い切る」など、徹底的に感情に訴求するコミュニケーションテクニックを多用します。
結果的に、「自尊心」「誇り」「ノスタルジア」「高揚感」「怒り」「恐怖」「ルサンチマン」など、「感情のスイッチ」を強く押す保守の論調のほうが
人々は「保守の言葉」に「安心感」を覚えている
では、なぜ今、その傾向が加速しているのでしょうか。
心理学に「恐怖管理理論」(Terror Management Theory)という考え方があります。
パンデミック・戦争・貧困・孤独など、人々の「死」への不安が増大すると、自分の所属する文化・宗教・国家・価値観への帰属意識が強まる。結果として、「異なる文化・価値観」への拒絶・攻撃性が上昇し、「伝統」「秩序」「強いリーダー」を希求する気持ちが膨らむのだそうです。
まさに不安と不確実性の時代で、こうした空気はますます強まっていると言えるでしょう。
日本においてはインバウンドの急増・外国人労働者、コロナワクチンなど未知・異種の「人間」「物体」へのアレルギーや恐怖心を持つ人も目立ちやすくなっています。
加えて、「エコーチェンバー」(自分と似た意見や思想を持った人々の集まる空間)としてのSNSの台頭が、短く強くバズりやすい言葉・単純構文を多用し、敵を批判、怒りや誇りを増幅させる保守の論調の拡散を容易にしています。
人は理想や正義など「正しい言葉」より、自尊心と承認欲求を満たす「快い言葉」を好むもの。わかりやすく、直感的に理解でき、自尊心をくすぐる保守の言葉に「安心感」を覚え、支持する人は少なくありません。
そんな不安な時代に誕生したのが高市首相というわけです。



















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