築50年の中古マンション・2500万円で実現した大人ファンタジックな「ひとり暮らし」《"好き"を貫く》30代女性の見つめる今とこれから

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日々の食事はヘルシーで簡単なメニューですませることが多い一方で、休日にはオーブンを使ってお菓子を焼いたり、手芸に没頭したりすることでリフレッシュしている。

「手仕事が好きなんです。副業で手作りのアクセサリーをオンライン販売したりもしてみたい。そしていつかは、自分の雑貨と焼き菓子のお店を持つのも素敵だなって、夢みています。人付き合いが好きなほうではないけれど、誰かが私の“好き”に共感してくれるのはうれしいですね」

かつて他人の目を気にしていた彼女が、自分の世界を発信することに喜びを感じるようになった。暮らしのなかで“好き”を堂々と語れるようになったいま、小野さんの表情は穏やかだ。

「ずっと心の中にあって、自分をはげましてくれていたファンタジックな世界観。それが今は『自分がそのファンタジーの住人になった』って思うんです。

服の傾向も変わり、余計なものを買わないようにもなりました。ここで年齢を重ねて暮らしている自分が想像できるようになって、生き方が定まったのだと思います」

キッチン
壁付けキッチンは緑のペイントをアクセントにして、生活感が出ないように。お茶やオートミールなどの食材は瓶に移したり、籠に入れたりして整える。(撮影:大澤誠)

“嫌いなもの”は、人の自由を奪う言葉

そんな“好き”に囲まれた生活をしている彼女に、“嫌いなもの”を聞いてみると、少しだけ間をおいてこう答えてくれた。

「結婚するのが当たり前っていう、考え方が苦手です。もちろん結婚してる人を否定するわけではありませんが、そこに“こうすべき”っていう圧を感じると、違和感がありますね」

20代の後半から30代、特に女性はいろんな“べき”に追い立てられる。キャリアを築くべき、結婚するべき、子どもを持つべきーーそんなプレッシャーが根強い。

テレビ台
マントルピース(壁付け暖炉)型に造ったテレビ台。その上にはchatGPTに描かせた自身と愛猫の肖像画(撮影:大澤誠)
相棒の猫のダイナ
相棒の猫のダイナ。名前は不思議の国のアリスの愛猫からとった(撮影:大澤誠)
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