築50年の中古マンション・2500万円で実現した大人ファンタジックな「ひとり暮らし」《"好き"を貫く》30代女性の見つめる今とこれから

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廊下
廊下の両側にカーテンで区切ってベッドやクローゼット、バスルームなどを設置。どことなく豪華な寝台列車を思わせる廊下。エントランスには真鍮の文字で名前の笑(えみい)からとったsmileの文字(撮影:大澤誠)

そう話す小野さんは、長いあいだ“人に合わせる”ことで身を守ってきた。周りに嫌われないように、空気を読み、角を立てないように生きてきたという。その習慣は、社会人になっても変わらなかった。

「過去の私は何事においても受け身な選択をしがち。就職も家からの近さで決めました。表立って何か言って反対されたり、変だと思われたりするのが怖くて自分の意見をはっきり言わない性格でした」

波風を立てないようにと生きてきた小野さんだったが、あることがきっかけで前職を辞めることになった。転職先として出会ったのが、今務めるリノベーション会社「ゼロリノベ」だ。

「『大人を自由にする』という企業コンセプトを見たとき、すごく惹かれたんです。自分も内心は自由になりたかったんですねーー“都合の良い人”でいることを辞めて、自分の軸を立てるべきタイミングだったのだと思います。

入社後、家を購入してリノベーションしたお客さまを取材すると、おひとりで家を持つ方にしても、離婚された方にしても、精神的にも経済的にも自立した方がすごく多くて、刺激を受けました」

他人の価値観に合わせて生きてきた小野さんは、この転職がきっかけとなり自分の生き方を変えてゆくこととなる。

「リノベーション会社の広報として、やるからには既視感のある空間とは一線を画した個性的な部屋をつくろうと思いました。ここには私の好きなものや、仕事をしながら集めてきたアイデア、会社の持つノウハウを詰めこんでいます」

そう語る小野さんに、“好き”を口にするためらいは、もう見えなかった。

ファンタジックな内装の室内
ファンタジックな内装の室内。深いカラーリングやアンティークなイメージの家具が、大人の落ち着きも感じさせる(撮影:大澤誠)

「ファンタジーの住人になった」

現在の小野さんは1日のほとんどの時間を、この家で過ごしている。リノベーション会社の広報として、取材がある日は都内や近郊の現場へ出向くが、そうでない日は家で仕事をする。

「家がいちばん落ち着きます。もともと社交的に過ごしたい欲求もないので、仕事で外出する他はインドアでマイペースに過ごしていますね」

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