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ライフ #“聖地”巡礼 あの名作の舞台地を訪ねて

《「韓国人観光客」が長野・諏訪地域に殺到?》 映画『盤上の向日葵』の撮影地が「最近、国際的に注目されている」ワケ

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  • 古関 和典 ロケ地研究家、コンテンツツーリズム研究家
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「片倉館」の2階にある204畳の大広間では、桂介少年が将棋の魅力に目覚める“名シーン”が撮影されました。まさに古きよき入浴後の休憩室、といった雰囲気で、作品の時代背景と重なる昭和の風呂の世界がそこに広がっています。

映画『テルマエ・ロマエⅡ』(2014年)でも、この大広間が登場し、温泉文化独特の魅力が前面にあふれ出ています。

舞台も設置されている「片倉館」の204畳の大広間(写真:Faula Photo Works/PIXTA)
中もクラシカルな雰囲気(写真:ふるさと探訪倶楽部/PIXTA)

上諏訪温泉から、湖畔を下諏訪に向かって歩くと、街道は少し小高い丘の上を進みます。一段低いところに国道20号とJR中央線が走り、そこには、諏訪湖と雪を冠した日本アルプスの山々を望む諏訪ならではの風景が広がっています。

『盤上の向日葵』では、「桂介」の幼少期の舞台として、ここ下諏訪でロケが行われました。

高台のある住宅地に、小日向文世さん演じる「恩師」が居を構えていて、桂介少年は、とある縁からその家に世話になります。家から坂道を下った先に諏訪湖の湖面が光っていて、旧街道の沿道の中でも随一の景色を観ることができます。

そして、下諏訪町の中心である「諏訪大社下社秋宮」を通ると、中山道と合流し、甲州道中は終着点となります。

桂介が少年期を過ごした下諏訪にある高台の住宅地(©2025映画「盤上の向日葵」製作委員会)
旧甲州街道の終点にあたる宿場「下諏訪宿」(筆者撮影)

映画ロケによる経済効果は「7000万円以上」

ここ諏訪地域の6つの市町村では、連携してさまざまな条件での撮影ができる環境を整えています。この「諏訪圏フィルムコミッション」の活躍により、多くの作品の撮影の誘致に成功してきました。

諏訪地域独特の歴史や文化、そして自然景観に加え、首都圏からも日帰り圏内であることから、撮影による経済効果は、年によってばらつきはあるものの、2019年には7000万円を超えたとのことです。

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【映画『怪物』で使われた「廃列車」が】

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