SIの工程を改めて整理してみましょう。
最も人員が多く、売り上げ規模も圧倒的に大きい領域です。
この工程では、若手コンサルタントであろうと、大手SIのエンジニアであろうと、提供価値に大差はありません。
「同じことをやっているのに、なぜ彼らは高く売れるのか?」という疑問は、まさにこの段階を指しています。
システム開発の上流に位置する工程で、業務プロセス・組織・人・ルールの設計を含みます。
この業務刷新や新オペレーションの設計が求められる案件ではコンサルタントが優位に立ちます。
ただし、パッケージやSaaS導入のようにプロセスがあらかじめ規定されている場合は、差が出にくいのが実情です。
SIの最上流工程に位置します。
ここでは、デジタル活用を前提にオペレーション全体像を描く必要があります。
多くのSIerが「DX構想からデリバリーまで支援できるようにする」と掲げていますが、裏を返せば「ここはコンサルティング・ファームに対して劣勢である」との自己認識の表れとも言えます。
このように見てくると、【2】と【3】でコンサルティング力を高めることは必要ですが、それだけでは不十分です。
SI視点の限界──本当の最上流は「経営課題」
SIの世界では【3】が“最上流”に位置づけられますが、実際にはそのさらに上に「【4】経営の課題全般への対応」という工程が存在します。
企業経営には多様な課題があり、DX(=SI)はその解決手段のひとつにすぎません。
したがって、【4】をコンサルティング・ファームが押さえてしまえば、その流れで【3】(DX構想)も自然と持っていかれてしまいます。
逆に言えば、【4】に対応できなければ、SIerのコンサルティングはUSPになりえないのです。


















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