減塩は本当に健康的?日本に蔓延する減塩至上主義の盲点
さらに、硫酸カルシウムは水にほとんど溶けないため、腸内で吸収されずに排泄されるという指摘や、逆に硫酸マグネシウムはお湯にも溶けるほど水溶性が高く、腸に影響が出やすいという説など、現時点では意見が分かれています。
それでもやはり、精製塩と天然塩では体への影響がまったく違うと感じます。
私自身も、天然塩に切り替えてから、冷えやむくみが改善し、体調が安定した実感があります。
天然塩が持つ豊かなうま味は、味覚の満足度を高め、砂糖や油脂に頼らなくても満足できる食生活を支えてくれます。つまり、塩を見直すことが、結果的に他の過剰摂取(糖分・脂質)を遠ざけることにもつながるのです。
天然塩とは?
一口に「天然塩」と言っても、実は製法や原料の違いによっていくつかの種類があります。代表的なのは、濃縮した海水を平釜で煮詰めた「平釜塩」、海水を天日で乾燥させた「天日塩」、地下から採掘される「岩塩」、塩湖の水を乾燥させて得られる「湖塩」などです。
中でも天日塩は、太陽と風の力で自然に結晶化させるため、ミネラル含有量が多くなる傾向にあります。とはいえ、世界的には大陸国家を中心に岩塩が主流であり、天日塩を日常的に使っている国は少数派です。日本は岩塩が取れないので、海水から塩を得ている珍しい国の一つ。ですが現在は、海水由来の精製塩が日本の食塩の多くを占めています。
商品選びの際には、パッケージに「にがり添加」と書かれているものにも注意が必要です。これは精製塩にあとからマグネシウムを添加した加工品であり、天然塩とは区別されます。


















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