「認知症にならない高齢者」「志望校に合格する家庭」の食事は何が違うのか? 健康マネジメントのプロが勧める"集中メシ"

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一方、成績が振るわず、志望校に合格できなかった家庭は、そもそも朝ごはんを食べる習慣が乏しく、塾の前はコンビニの菓子パン、塾の後はコンビニのスイーツ。親が子どもの夜食にカップラーメンとエナジードリンクを箱買いしている、といった傾向が強かったのです。

認知症にならない高齢者、海外のエリートビジネスパーソン、そして志望校に合格する家庭。その食生活に共通するのは、食事の健康リテラシー。これを徹底的に究めて、本書でお伝えするのが「集中メシ」です。

集中メシ。それは、学業、仕事、老後の充実と、人生の様々なステージであなたと家族のパフォーマンスを最大化する食事術なのです。

脳は6割がアブラ。しかも加齢とともに減少する

自転車のチェーンが錆びついて、ペダルは固くギシギシ音がする──そんな経験はありませんか? しかし、そこに油をさすと、スムーズに進めるようになります。

同じように、脳の働きを高めるためにも、良質なアブラが必要です。脳は約80%の水分で満たされていますが、この水分を除くと、約60%がアブラ(脂質)で構成されています。

なぜこれほど多量のアブラが脳内に存在するのかといえば、脳には、1000億個もの神経細胞が存在し、この地球25周分の脳内ネットワークをつなぐすべての神経細胞がアブラの膜で覆われているから。

まさに、アブラが潤滑油の役割を果たし、最大秒速120mという速さで、脳内の情報伝達をスムーズに機能させています。脳の回転を良くするためには良質なアブラが必要不可欠なのです。

私がおすすめする「集中メシ」とは、①「攻め」としての栄養補給、②「守り」としての酸化・炎症対策の2つ。ここで言う脳のアブラはまさに、脳の栄養を補給することです。

●魚から良質のアブラDHA・EPAを摂取

脳の働きを支えるアブラとして注目されているのが、魚に豊富に含まれているDHA・EPAといった、オメガ3脂肪酸です。頭が良くなるアブラとして一度は耳にしたことがあると思います。これらは、様々な研究から年齢とともに低下しがちな記憶力、注意力、判断力をサポートする効果があることが明らかになっています。

例えばDHAは、記憶や学習に関わる「海馬」に特に多く含まれます。テキサス大学サンアントニオ健康科学センターの研究では、DHAを多く摂取している人ほど海馬の体積が大きく、思考力テストのスコアが高いことが確認されています。

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