「認知症にならない高齢者」「志望校に合格する家庭」の食事は何が違うのか? 健康マネジメントのプロが勧める"集中メシ"
②「海外のビジネスエリート」の食事
その後、食に興味を持ち、飲食業界に転職。香港に日本食レストランを出店。そこで出会った海外のビジネスパーソンたちの栄養の知識の深さと広さに驚かされました。
例えば、彼らはサーモンに記憶力向上に役立つDHAや、脳の若々しさを維持するアスタキサンチンが含まれていること、野菜には抗酸化作用があり細胞の酸化による劣化を抑える効果があること、全粒穀物の食物繊維をリッチに含む炭水化物が血糖値の急上昇を抑え、集中力の維持に欠かせないことなどを知っていました。
もちろん、メニュー選びにもそれが色濃く出ます。ビュッフェスタイルの食事では、フライドポテトには目もくれず、サラダやサーモンのマリネなどをたっぷりいただくといった具合です。
また、サプリメントも活用し、脳の働きをサポートするビタミンB群や、オメガ3脂肪酸を取り入れていました。彼らの口癖は「You are what you eat」(あなたは自分が食べたものでできている)。食事が仕事のパフォーマンスに直結していることを自覚していたのです。
「成績が伸びた家庭と、そうでない家庭」の差
③「志望校に合格する家庭」の食事
サプリメントに興味を持ち、帰国後、外資系のサプリメントメーカーで商品開発の責任者を13年務めました。
サプリメントの原料となる成分にはどれもエビデンスがあるのですが、結局のところ、ベースとなる食事が整っていないと、サプリメントは効果がないと痛感。食事で仕事のパフォーマンスを上げることを啓蒙する健康マネジメントスクールを立ち上げます。
ビジネスパーソンだけでなく受験生の食習慣の支援も検討する過程で、某学習塾の塾長と共同で、「成績が伸びた家庭と、そうでない家庭」「受験で志望校に合格した家庭と、不合格になった家庭」のインタビュー調査を行いました。テーマは、食事の内容です。
ここでも食事に大きな違いが見られました。成績が伸び志望校に合格した家庭の定番の朝食は納豆卵かけごはん。ごはんは脳のエネルギー源となる炭水化物、卵や大豆には脳神経の材料となるコリンが含まれています。
塾に行く前の間食には、作り置きのおにぎりです。冷えたおにぎりは、血糖値を安定させ、メンタルを整える効果があります。夕食には、鶏肉や魚の鍋。鶏肉には疲労回復成分、魚には頭を良くする成分、野菜には脳の疲れをとる成分が含まれています。


















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