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大型契約は「うれしい想定外」
――富士フイルムがバイオCDMOビジネスに参入したのは2011年。当時、ここまでの事業規模まで成長すると見ていましたか?
工場が立ち上がる前にもかかわらず、製薬大手のJ&Jやリジェネロンが数千億円規模の長期契約を結んでくれた。よい意味で想定外だった。
通常ならばFDA(アメリカ食品医薬品局)の承認が取れた稼働中の工場に委託するのが安全策とされるが、よくぞこれほどの大型契約を決断してくれたなと思う。ノースカロライナ拠点は製造棟の4棟のうち3棟まで契約が決まっており、残るのは1棟だけ。キャパシティが埋まるのは時間の問題だろう。
2011年の参入当時は、ここまでの規模感やスケールでの事業を想定していなかった。当社が2019年にバイオジェンからデンマークの製造拠点を買収してから、大型タンクでの受託に本格的に参入した。デンマークのビジネスが軌道に乗り、抗体医薬品の需要が強いと確信を得たことが大きい。
ーー製薬大手(メガファーマ)は自社の生産設備にも投資しています。どのような製品や工程を受託するのですか。
確かに製薬大手は開発から治験、商業生産の初期段階までは内製で立ち上げる傾向がある。その先は数量が伸びた分をCDMOに任せるケースが多い。また、1つの適応症で承認を取得した後に、他の疾患にも適用拡大されて患者数が増えると、安定供給のために委託するケースもある。



















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