日本人が知らないイラン人驚きの「素顔」 アラブ人と同じだと思ったら大間違い

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──それ、どういうことですか?

疎外感とか孤独を感じるのは、集団対自分という関係を想起したときじゃないですか。イランには集団がない。みんながバランバランなので、それが非常に気楽というか救いになる。社会の同調圧力がすこぶる弱いんです。みんなでこれをやろう!と言っても全然乗ってこないわけで。やりたくないことを仕方なく一緒にやるってこともない。強制されて流されることもあんまりない。

個人がどんどん仕事を「多角化」するのも特徴です。この道一筋って人もいなくはないけど、かなりの割合で複数の仕事を掛け持ちしているんですね。多角化することでリスクを分散する生き方が身についてるんでしょうね。一つの組織や仕事に頼り切らず、どう転んでも何とかなるように選択肢を持っておく、というような。彼らの危機管理意識は非常に高いですよね。

子どもしつけのポイントが日本とはまるで違う

──単にエネルギッシュというよりは、強い危機意識なんですね。

イラン人でいちばんすごいと思うのは、そのコミュニケーション能力の高さです。相手を見て自分の出方を柔軟に変えることができる、かつ相手を不快にさせずにその場を持たせる能力がたいへん高い人たちなんです。そういう才能を小さい頃から厳しくしつけてる。

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街中では子供に対してベタベタに甘いんだけど、家庭内を観察すると子供のしつけのポイントが日本人と全然別のところにあるのがわかる。

家にお邪魔すると、その家の4歳のチビちゃんが「召し上がってください」とヨタヨタお茶を運んできて、ずーっと私の相手をするわけですよ。幼児なりにお客に話題を振ってきたり、おもちゃを見せてきたり、大人が忙しくしてる間、けなげにお客の相手をする。小さい頃から自分と共通項のない相手とでも、それなりの会話ができる人間に育てるという、コミュニケーション力を養う厳しいしつけをしているわけです。

社会のあり方が個対個なのでそういう能力が求められるんですよね。ろくにあいさつもせず部屋にこもってゲームしている日本の中学生じゃ、イランでは生きていけないわけですよ。自分でその場を何とかするっていう力強さが養われますよね。

中村 陽子 東洋経済 記者

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なかむら ようこ / Yoko Nakamura

『週刊東洋経済』編集部記者

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