近所のメンタルクリニックに駆け込むと「産後うつ」と診断された。
産後うつは母親が発症するものと思われがちだが、実は必ずしも母親に限って使われる言葉ではない。父親も、子どもの誕生によって仕事・家事・育児の両立による大きな変化、負担、責任などが積み重なってメンタルヘルスが大きく崩れる場合がある。こういった場合、父親も「産後うつ」であると診断される。
「中年の危機」の影響も
さらに当時の状況は、おそらく「男性更年期障害」「ミッドライフクライシス(中年の危機)」など、アラフィフ男性にとって特有の問題も無関係ではなかったと、山田さんは振り返る。
女性の更年期は閉経の前後5年(合計約10年間)と定義されているのに対し、男性の場合は個人差が大きく特に決まっていない(対象は40代以降とされる)。また、女性の場合は一般的に閉経後5年ほどで症状が落ち着くとされるが、男性の更年期は特にその指標がない。
ミッドライフクライシスは、中年になって人生の終盤が徐々に視界に入ってくるフェーズになり、急に自身の将来に対して不安や焦りを感じ始めたり、燃え尽き症候群のようになってしまう、というものだ。
山田さんの場合、公私ともに“踏ん張りどき”が重なったことが事態を悪化させた。
「当時は本当に辛くて、死んでしまいたいと思うこともありました」
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