「とんでもない再現度」 映画『宝島』の沖縄ロケセットが凄すぎた…現地の人が思わず涙した、《当時のまんま》のロケ地全貌

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そして、そんなコザの町は、アメリカ軍基地のお膝元として、1980年代まで沖縄県内でも一、二を争う繁華街として発展しました。現在でもその面影は残り、異国情緒ある独特な雰囲気を感じることができます。

2015年公開の映画『天の茶助』(SABU監督、松山ケンイチさん主演)では、そのコザの商店街を貸し切ってのロケが行われ、当時、筆者も作品を活用した沖縄市の盛り上げに関わり、何度か足を運びました。

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アメリカ軍基地の出入り口を起点とする沖縄市「コザゲート通り」の現在の様子(写真:changmi/PIXTA)
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1950年に開設され、琉球の人々とアメリカ人が交流する場となった沖縄市の「コザ中央パークアベニュー」(写真:TM Photo album/PIXTA)

作品の世界観を忠実に描いた沖縄ロケ

『宝島』においては、アメリカ統治時代当時のコザの町をリアルに再現することにこだわり、大友監督を筆頭に徹底した現地リサーチが実施されました。

沖縄ロケの総日数は41日間。クライマックスである「コザ暴動」のシーンや、デモのシーンでは、多い日には300〜500人のエキストラを動員した大規模なロケが行われ、その迫力に圧倒されます。エキストラの総数は5000人にもおよびました。

「コザ暴動」のシーンは当初、オープンセットで撮影の予定でしたが、急遽スタジオでの撮影になるなどの変更が相次ぎ、現場も対応に追われた、とのこと。

宝島
沖縄に降りかかるさまざまな悲劇。オープンセットで撮影された迫力あるシーンに息をのみます(©真藤順丈/講談社 ©2025「宝島」製作委員会)

また、屋外での撮影に際しては、天候の影響をつねに受けることとなり、スタッフも「沖縄の撮影は、天候を読むのが難しかったこともあり、何百人のエキストラに集まってもらったのに、大雨でデモシーンの撮影を中止にしなければならない、という決断もあった」と話しています。

中でも最も大規模だった撮影は、県北部名護市の辺野古地区にある「辺野古アップルタウン」に作られた「特飲街」のオープンセットで行われました。

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