「とんでもない再現度」 映画『宝島』の沖縄ロケセットが凄すぎた…現地の人が思わず涙した、《当時のまんま》のロケ地全貌

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いずれもアメリカ統治下での雰囲気が醸し出されるよう、コンクリートの壁を石垣に変えるなど、細やかな工夫により綿密な演出が行われました。また、「ヤマコ」の家は、伊計島にあった古民家を改装したロケセットが用意されました。

沖縄には、今でも異国情緒を感じられる場所が多数残っています。いまや沖縄の郷土料理ともいえるステーキやタコスなどの、アメリカやメキシコの料理を楽しめるお店は、那覇市内をはじめ数多くあります。

さらに、沖縄の空の玄関口である那覇空港のすぐ近くには、「瀬長島ウミカジテラス」が2015年に開業しました。傾斜地に白い建物が立ち並び、「沖縄のアマルフィ」とも呼ばれるこの施設では、海外の高級リゾートのような時間を過ごすことができます。

宝島
八重瀬町にある「ぐしちゃん浜」で撮影は行われました(©真藤順丈/講談社 ©2025「宝島」製作委員会)
宝島
作中に登場する「ヤラジ浜」は、糸満市の「北名城ビーチ」がロケ地となりました(©真藤順丈/講談社 ©2025「宝島」製作委員会)

2025年は沖縄を舞台とした作品が多数

聖地巡礼
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今年、沖縄から『宝島』以外にも多くの作品が生み出されています。

9月12日に公開された映画『風のマジム』(伊藤沙莉さん、染谷将太さんほか出演、芳賀薫監督)では、南大東島、読谷村、うるま市などがロケ地となりました。

また、終戦80年を機に制作された7月全国公開の映画『木の上の軍隊』(堤真一さん、山田裕貴さんほか出演、平一紘監督)は、本島各地や伊江島で撮影が行われました。

リゾートだけではない沖縄の一面。アメリカ統治下の時代の沖縄を、これ以上にない規模でダイナミックに描いた『宝島』をきっかけに、その時代背景に思いを馳せながら沖縄の「今」をじっくり感じたいと思います。

沖縄
まるで高級リゾート地のような「瀬長島ウミカジテラス」(筆者撮影)
古関 和典 ロケ地研究家、コンテンツツーリズム研究家

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こせき かずのり / Kazunori Koseki

1973年神戸市生まれ、早稲田大学政治経済学部卒業後、旅行会社に入社。映画『のだめカンタービレ』のヨーロッパロケを担当して以降、社内でチームを立ち上げ、数多くの映画、テレビドラマ、アニメ等のコンテンツ制作の業務に携わる。2016年、TIFFCOMにおいて、『日経エンタテインメント!』と共催で「全国ロケ地セミナー」を開催し、その活動が同誌でも紹介される。2023年、法政大学大学院政策創造研究科修士課程修了。

現在は業務の傍らでロケ地研究家として「ロケ地ラボ」を主宰し、各大学や地域での講演も行っている(2015年以降、内閣官房より「地域活性化伝道師」の委嘱を受け活動)。2021年、フジテレビ『超逆境クイズ!!99人の壁』に「ジャンル=ロケ地」でチャレンジャー出場、グランドスラム達成。コンテンツツーリズム学会理事。

ブログ:https://ameblo.jp/chiiki-media/

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