住宅ローン控除の対象外に…!? 東京・神奈川・千葉・埼玉の「災害レッドゾーン」の具体的な場所 対象区域の調べ方は?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
ハザードマップ
住宅ローン控除は、住宅購入者にとって重要な優遇税制の一つです。しかし今、この制度の適用対象に大きな見直しが議論されているようです。写真左は、重ねるハザードマップ(出所:ハザードマップポータルサイトスマホ版)で「土砂災害特別警戒区域」の閲覧例。写真右は、実際の該当する斜面の様子(筆者撮影)
この記事の画像を見る(4枚)

住宅ローン控除は、住宅購入者にとって重要な優遇税制の一つです。しかし今、この制度の適用対象に大きな見直しが議論されているようです。「災害レッドゾーン」と呼ばれる特定の災害の危険性がある区域に建てる新築住宅を、この控除の適用対象外とする方向で検討しているという報道がありました。

これはどのような制度なのか、災害レッドゾーンとはどういった場所なのか、どこにあるのか、それによって私たち国民にはどのような影響があるのか解説します。

※当コラムは2025年12月12日現在の、「見直しが議論されている」との報道等を基に作成しています。今後、方向性によっては異なる区域、条件などとなる場合も想定されます。

「災害レッドゾーン」とは?

現在検討されているのは、住宅ローン控除の適用を受ける「住宅」の要件に、特定の危険区域を除外する「除外規定」を追加する案です。報道でその全容が見えているわけではありませんが、報道によると、適用外とする案の対象として想定されているのは、いわゆる「災害レッドゾーン」と呼ばれる危険度の高い区域の一部のようです。

現状、いわゆる災害レッドゾーンとなるのは、以下の区域とされています。

・災害危険区域
・土砂災害特別警戒区域
・地すべり防止区域
・急傾斜地崩壊危険区域
・津波災害特別警戒区域
・浸水被害防止区域

すでに、建築基準法や土砂災害防止法などの他の法律で、建築や開発行為について制限がある、許認可が必要とされて指定されている区域が対象となるものです。

ここで、勘違いされやすいのは「ハザードマップで浸水等が想定されている場所」とは必ずしもイコールではなく、色がついていても各区域ではない場合には、対象とならないものと想定されます。ハザードマップとは別に、各区域に該当するかのチェックが求められます。

どんな場所が該当するのか区域別に見ていきましょう。

・災害危険区域

災害危険区域は、建築基準法に基づいて崖崩れ、出水、津波等の危険性がある場所で住居の建築規制などがされる地域ですが、現在首都圏では千葉県内を除く大半の自治体が指定されていないようです。現在のところ、主に後述の土砂災害特別警戒区域、急傾斜地崩壊危険区域と重複がないような運用がされています。

近年、千葉県長南町では個別に条例を設置して「出水による危険の著しい区域として町長が指定した区域」を浸水警戒区域として災害危険区域に指定する動きなどもあります。特に水害の被害を受けた自治体を中心に、今後は同様な動きがある場合があると想定されますので、各自治体で最新の情報を確認ください。

次ページ土砂災害特別警戒区域とは?
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事